ようやく23分、右サイドのWTB・西川 大輔選手を起点にボールを回し、ストーバーグ選手とFL・松橋 周平選手のコンビで縦へのアタック! そして、空いたスペースに風下ながらのグラウンダーキックで左サイドのゴール前までボールを運んだブラックラムズ。スクラムからフェーズを重ねてゴール中央までフェーズを重ねると、ワイルドナイツがたまらず反則。これを、SO(スタンドオフ)マット・マッガーン選手がPG(ペナルティゴール)を選択! 5-3と反撃の狼煙を上げました。
試合巧者が敵陣深く牙を剥く -前半②
しかしワイルドナイツは24分、一気に陣地を進めてブラックラムズゴール10mでのラインアウトからモールを作ると、またも坂手選手が先制トライとが同じ場所にこの日2つめのトライ! セットしたボールが安定しないほどの風が吹く中、WTB・野口 竜司選手がキック直前までボールを手で支える珍しいプレースキックを、日本代表のSO・松田 力也選手が決めて直ぐさま12-3と差を引き離しました。
さらに31分、自陣ゴール前10mでのブラックラムズのスクラムを潰したワイルドナイツは、同じ位置からのラインアウトを得ます。これをゴール正面付近まで展開すると、松田選手がDG(ドロップゴール)を放って15-3。
前半36分にも、ワイルドナイツは自陣22m付近でレイトチャージ(攻撃側の選手がボールを蹴った直後に守備側の選手がタックルをする反則)から、ブラックラムズゴール右前10mまで迫ります。そこから大きくボールを左に振ったワイルドナイツは、FBの竹山 晃暉選手へロングパス。ディフェンスが寄ってきたところを更に外側にフォローしたWTB・野口選手にパスしてフリーとなった野口選手がスペースにトライ! 20-3と立て続けに得点を挙げました。
電光石火の攻撃を緩めないワイルドナイツは、強い風上を利用しての攻撃を繰り出します。自陣22m付近から松田選手がハイパントを蹴ると、ボールが大きく風で流れて、ワイルドナイツの野口選手がこぼれ球を拾います。これを一気に右へ展開すると、今度は松田選手が短い裏へのキックパス! 自ら捕ったこのボールを更に繋いで内側へアタック。ラストホーンが鳴る中、またもや松田選手が左サイドへアウトサイドキックを蹴り込むと、そこへ飛び込んできたのは野口選手! 見事なトライで25-3とあっという間にリードを広げて前半を終えました。
フランスでの活躍を熊谷でも -後半戦①
後半早々、ワイルドナイツは今シーズン限りでの引退を表明している、日本選手歴代最多タイのラグビーW杯4大会連続出場の堀江 翔太選手を投入し、更にプレッシャーをかけていきます。
前半同様、センターラインを挟んでの多彩なキックを使った陣取り合戦が始まりました。後半に入っても両チームの選手たちのアジリティは健在! 展開がとてもスピーディで、観客たちも大きな拍手で後押しします。
すると49分、中央やや左のアタックからボールを持って抜け出した松田選手が、しっかりとディフェンスを引きつけてから、ラグビーW杯2023日本代表のPR(プロップ)稲垣 啓太選手にバスでボールを繋ぎます。これを、堀江選手に繋いだワイルドナイツは、最後に右サイトに走りこんだ長田選手にラストパスと通してトライ! 日本代表の4選手が繋いだパスで後半初のトライを挙げました。風上へのキックと変わり、松田選手のGは成功。32-3とブラックラムズのモメンタムを削りにかかります。
諦めないブラックラムズは52分、ハーフライン付近からボールを捕ったTWB・ネタニ・ヴァカヤリア選手が自ら敵陣深く走り込みます。最後はサポートに入ったFB・アイザック・ルーカス選手に渡ってトライ! ついにこの試合初めてのトライを奪ったブラックラムズが、Gも決めて32-10と追いすがります。
60分を過ぎると、徐々に自陣でのプレーが増えてきたブラックラムズ。自陣ゴール5mのワイルドナイツラインアウト。アタックを続けるワイルドナイツの攻撃を凌いだブラックラムズですが、ハーフライン付近まで陣地を回復するも再び自陣内での攻防が激しさを増していきます。
すると68分、ブラックラムズゴール前5mからのラインアウトからモールを組むと、一気に押し込んで最後は堀江選手が飛び込んで、2試合連続となるトライ! 37-10と突き放します。
節目の試合に自ら華を添える -後半②
72分に、ワイルドナイツは通算100キャップ達成となる出場を果たしたSH(スクラムハーフ)内田 啓介選手に大きな声援が送られる中、早速内田選手に見せ場が登場します! 73分、CTB(センター)のダミアン・デアレンデ選手が自陣22m付近からボールを持ってばく進すると、ゴールライン寸前でサポートしていた内田選手にパス! これをトライした内田選手、自らの出場通算100キャップの試合に華を添える活躍を見せてくれました。キックも決まって44-10と大きく差を付けました。