アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

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試合もシャトルバスも、前半は上々、後半は…

2月23日にJリーグが開幕した。注目を集めたのは、昨シーズンのJ2リーグで圧倒的な強さを見せ、今季から初めてJ1リーグに昇格したFC町田ゼルビア。その強さがそのままJ1リーグでも通用するのかとともに、注目されたのはアクセスだった。必ずしも便利とは言えない場所にあるホームスタジアムで、1万人を超える観客をどうさばくのか。試合とともにスポーツライターの大島和人がレポートした。

私の“J1正月”は2月24日だった。取材を始めて13シーズン目となるFC町田ゼルビアが、ホームの“町田GIONスタジアム”で、晴れのJ1デビューを飾る大切な節目である。

J1に昇格すれば、見に来る人、取材する人も増える。昨季は7,426名だった平均観客数は、スタジアム史上最多の1万3,506人に達した。カメラマンを含めても1桁の取材者でのんびり取材していたクラブが、気づくと3桁のメディアを集めている。

まず、試合前に、2月17日にレポートしたシャトルバスを、ぜひ自分の目でチェックしたかった。「バスが実際にどう運用されるのか?」「どの路線にお客が集まるのか?」は、実際の試合時でないとなかなか確かめられない。行きは “町田駅発” のシャトルバスを使ってみることにした。

町田発スタジアム行きのバス、”往路” は快適

キックオフ時間は15時で、記者席や記者席の “場所取り” を考えると13時にはスタジアムへ到着したい。そこから逆算して、私は11時20分過ぎから乗り場の行列に並び始めた。

対戦相手はJ1王者を2度経験しているガンバ大阪だが、乗客の8割近くが “青黒(G大阪)” 側の皆さん。大阪方面からのアクセスがいいにしても、想定以上の比率だった。昨季まで所属していたFCソウルのユニフォームを着た “ナ・サンホ(韓国代表選手)推し” の女性サポーターも見かけた。

並ぶこと約20分、プリンシプル自動車の大型バスに乗り込み、50分ほどで野津田公園西口に到着した。途中、”新町田街道” で渋滞にハマって予定よりやや遅れたが、渋滞した箇所は二車線化される800mの区間(3月23日に開通)が含まれている。もちろん、ゼルビアのためだけに拡幅しているわけではないが、スタジアムアクセスは今も地道に改善中である。

野津田公園西口で降り、展望広場からの遊歩道を下って、スタジアムに向かう。天気は快晴で、すこぶるサッカー日和だ。”往路” は極めて快適、順調だった。

平河 悠が躍動し、FC町田がPKで先制する

試合は町田が立ち上がりから圧倒する展開だった。前半のG大阪は宇佐美 貴史やネタ・ラヴィをベンチに温存していた。1トップに坂本 一彩を起用し、セカンドトップの山田 康太と2人が前線で “ガンバる” 戦いをしていた。前半を捨てると言ったら極端だが、流麗なビルドアップもなく、後半勝負の狙いは明らかだった。

町田の黒田 剛監督は194cmのオ・セフン、俊足のナ・サンホの2トップに並べる[4-4-2]のシステムを選択した。U-23代表の藤尾 翔太をベンチに置き、オーストラリア代表のミッチェル・デュークはベンチ外。こちらも藤尾の後半投入は容易に予想できた。

初めて町田を見た人はハイプレス(前線から積極的にプレッシャーをかけてボールを奪いに行く守備)に驚いたかもしれないが、町田としては “普通の強度” で試合に入っていた。2023年7月の天皇杯3回戦で横浜マリノスを圧倒した “[3-4-3]のマンツーマンプレス” を使うかな?と軽く期待していたのだが、町田も選手の多くが入れ替わり、まだそこまで戦術の練度が高いわけではない。確かにまず “基本形” からチーム作りに入るのは定石だ。

開始直後から両クラブの差は明らかだった。町田はオ・セフンが194cmの巨体に似合わぬ “足” を見せてプレスの先頭に立ち、中盤や最終ラインもしっかり連動してスペースを消していく。G大阪の2トップはよく走っていたが、ファーストディフェンダーを剥がすと町田は楽にボールを動かせた。また、G大阪の奪われた後の切り替え、帰陣が遅いので、町田のカウンターが高確率で決定機になった。

平河 悠(町田)もU-23代表で、将来の日本代表入りが期待されるウイングだが、前半は半田 陸(G大阪)との「パリ五輪世代対決」で圧倒していた。サイドバック、サイドハーフの2枚が対応していたものの、それでも平河は立ち上がりから面白いように左サイドを突破していた。

17分のPKはその平河 悠のチャンスメイクから生まれた。ナ・サンホのクロスが相手に弾かれた場面。その直後は気づかなかったが、スローの映像で見ると確かに中谷 進之介(G大阪)の右手が身体から離れた状態でボールに触れている。”クラブ史上初めて経験するVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)” により、町田へPKが与えられ、鈴木 準弥が思い切り中央に蹴り込み、町田が1点を先制する。

一転、後半はG大阪が優勢に試合を進める

もっとも40分のバスケス・バイロン、前半ロスタイムのオ・セフンと、町田は他の相次ぐ決定機で追加点を決められなかった。また、FWのナ・サンホは23分に膝を痛めて交代し、切り札の藤尾 翔太を予定より早く投入することになった。

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