リーグ屈指のパワーが激突
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第4節。京都府宇治市にある山城総合運動公園野球場で行われた “SGホールディングスギャラクシースターズ” と ”豊田自動織機シャイニングベガ” の一戦。
世界屈指の実力を誇るJDリーグでは、世界各国の代表レベルの選手たちが多く集い、パワーあふれるダイナミックなプレーでファンを魅了していることは以外と知られていない。
過去にはアメリカ代表のエースとしてオリンピックで二度の銀メダル獲得に貢献したMonica Abbott(モニカ・アボット)選手をはじめ、現在でもオーストラリア、イタリア、メキシコなどの代表選手たちが活躍している。
その中で、4人の外国人選手を擁して豪快なソフトボールを見せてくれるSGHと、東京五輪でメキシコを初の4強に導いた “推しのソ” Dallas Escobedo(ダラス・エスコベド)投手を擁する自動織機のパワー対決は見応え十分なカード。
“繋ぐソフト” で主導権はSGHへ
1回裏に主導権を取ったのは、”繋ぐソフト” を見せたSGHだった。
先頭のロサンゼルス五輪日本代表候補の中川 彩音選手が内野安打で出塁すると、続く新人の望月 朱里選手の犠打で得点圏に走者を進める。
ここで打席に入るのは、オーストラリアの至宝・Stacey Porter(ステーシー・ポーター)選手。在籍17年、依然衰えぬそのパワーバッティングで多くの好投手たちと名勝負を繰り広げてきたステーシー選手が、無理せず中前へヒットを放ち先制点を奪った。
一方のSGH先発は、昨年後半に加入したKathryn Sandercock(キャスリン・サンダーコック)投手。ロサンゼルス五輪アメリカ代表が期待される注目の若手が試合巧者の自動織機打線に挑む。
先制された自動織機は2回一死から、池上 桃花選手、竹中 真海選手の連打で二、三塁。3回にもヒットと四球で二死二、三塁と逆転のチャンスを掴むもキャスリン投手が無失点に抑える。
小技を活かしてダラスを攻略
すると3回裏、SGHはヒットと四球で1死一、三塁と追加点のチャンスを作ると、打席にはいった “推しのソ” 川原 千賢選手が秘技を見せる。
ランエンドヒットのサインが出る中、ダラス投手のウエストボールを何度も飛び込んでバットに当てる。ついに四球をもぎ取り1死満塁と繋ぎ役を十分に果たしたが、これでリズムを狂わせたダラス投手がまさかの3連続四死球で3失点。パワーだけではない、緻密なソフトでエース攻略に成功した。
両チームのパワーが炸裂
試合後半は両チームの打線が炸裂。
先ずは4回裏、SGHは代打に送った二刀流・三原 千空選手が、日本人離れしたバネを活かして中越2点本塁打をかっ飛ばすと、試合は壮絶なホームラン合戦に突入。
5回表には、新加入のMakena Smith(マケナ・スミス)選手がレフトへ豪快な3点本塁打を打ち返すと、次打者の宮本 怜実選手が、「小技は織機の専売特許」と言わんばかりにセーフティバントを成功させてキャスリン投手を攻略する。
それでも流れはSGH。5回裏には中川選手、6回にはイタリア代表のErika Piancastelli(エリカ・ピアンカステリ)選手が豪快に本塁打を放ち、自動織機投手陣から二桁10得点を挙げて勝負あり。