真っ赤に染まるデンソーBPスタジアム
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第5節。愛知県安城市にあるデンソーブライトペガサススタジアムで行われた “デンソーブライトペガサス” と ”大垣ミナモ” の一戦。
会場近くに会社があるデンソーは、この日も職場の選手たちを応援しようと真っ赤なベースボールシャツに身を包んだ多くのファンが集まった。
特にこの日目を引いたのは、デンソー工業学園の大応援団。デンソーが運営する、工業高校課程(中卒3ヵ年教育)と高等専門課程(高卒1ヵ年教育)の2つの課程をもつデンソー工業学園。デンソーのモノづくりに必要な知識や技能を学ぶ生徒たちが将来の職場の先輩を応援するために観戦しスタンドは初回から終始盛り上がりを見せる。
「事前に応援練習をしてきた」と、音楽に合わせたかけ声とパフォーマンスは、高校野球の甲子園アルプススタンドを想像させる。この勢いあるスタンドの大声援をバックにデンソーは、序盤から一気果敢に攻め込む展開で地元ラウンドの初戦を勝利で飾った。
“2番・大谷 翔平” さながらのMLB打線が爆発
MLB(米・大リーグ)の打線で多く取り入れられている戦術。ロサンゼルス ドジャースの大谷 翔平選手の活躍で “2番最強説” の打線は、日本でもすっかりお馴染みになったラインアップ。NPB(日本プロ野球)はもちろん、日本のアマチュア野球でもまだまだ浸透していないこの打線をこの試合で採用した、デンソー・中森 菜摘監督。攻撃的な打線で初回から得点をあげるべくデンソーがホームゲーム初戦に臨んだ。
一方、今シーズンここまで好調のミナモ。その原動力となっている “二刀流” Samantha Show(サマンサ・ショー)投手をマウンドに送り、第2節で昨シーズン東地区優勝の “ビックカメラ高崎ビークイーン” を撃破した再来を狙う。
1回裏、1死無走者の場面で打席に入った、デンソーの “2番最強説” Mia Davidson(ミア・デービットソン)選手と、先頭打者を三振に切って取り、この日も好調と見られたショー投手の最初の対決。
ショー投手の剛球を捉えたデービットソン選手の打球は、大きな弧を描いてレフトの “推しのソ” 伊藤 梨里花選手の頭上を襲う。伊藤選手が懸命に掲げたグラブも届かず、その上を越える先制のソロホームランとなり、デンソーナインの華やかなお出迎え。デービットソン選手は “空手パフォーマンス” でそれに応えて笑顔で先制のホームを踏んだ。
小技もからめて一気果敢な猛攻
デービットソン選手の本塁打で活気づいた打線は、続く3番・川村 莉沙選手のヒットと盗塁で得点圏に走者を進めて攻撃の手を緩めない。2死二、三塁と追加点のチャンスは続き、打席に入るは “推しのソ” 黒田 菜那選手。
大声援を背に黒田選手が放った打球は、デンソー大応援団の目の前に弧を描く3点本塁打。小技を絡めた一発攻勢で、ホーム・デンソーが好調・ミナモを初回から大きく突き放す展開となった。
好調・ミナモも必死の粘り
初回5点を失ったものの、ここでズルズルといかないのが好調なチームの証。
2回表に先頭のショー選手が、デンソー先発の “推しのソ” Carley Hoover(カーリー・フーバー)投手から左越えにソロ本塁打を放ち簡単に流れを渡さない。
1回2死から緊急登板となった2番手の三堀 茉莉愛投手、5回途中からは “推しのソ” 中山 日菜子投手をマウンドに送り、デンソー打線の勢いを止めにかかったが、デンソーの攻撃陣は止まらない。