韓国代表チームが来日
全国各地で梅雨入りした6月下旬。天候と共に気分さえもジメジメしてしまうこの時期に、「日韓の女子アスリートが、愛媛県松山市で交流を深める」というパッと明るくなるニュースが飛び込んできました。
2026年、愛知県で開催される “第20回アジア競技大会(以下、アジア大会愛知・名古屋)” での躍進を目指している、女子ソフトボール・韓国代表チームの選手15人とスタッフが、強化合宿をするために愛媛県松山市にやってきたのです!
韓国代表が愛媛県で強化合宿をした背景には、この4月から韓国代表監督に就任した久門 篤志監督の存在が大きく影響しているとのこと。
愛媛県西条市出身の久門監督は、37年にわたって高校生を指導。2013年の全国高校総体(インターハイ)では松山工業高校の男子ソフトボール部を全国優勝に導き、2015年の第70回国民体育大会(紀の国わかやま国体)でも、少年男子の県選抜を率いて愛媛県に初優勝をもたらした名将なのです。
アジア大会愛知・名古屋はもちろん、その先を見据えた強いチーム作りをする。大韓野球ソフトボール協会が、女子ソフトボールの未来を久門監督に託したというわけです。
愛媛県のご縁で実現
そして、韓国代表・久門監督と共に愛媛県内の子どもたちを指導していたのが、女子ソフトボールのトップリーグ(JDリーグ) “伊予銀行ヴェールズ” の石村 寛監督。愛媛県出身のソフトボール指導者として連絡を取り合う仲であるお二人のご縁が、今回の愛媛県合宿を実現させたのです。
「今年の冬、久門さんから『ヴェールズの練習を見たい』と連絡をいただいたのです」と、半年前を振り返る石村監督。「その後、久門さんが韓国代表の監督に就任されて、女子ソフトボールで交流するとは想像もできませんでした」と驚きの表情で素敵なご縁を教えてくれました。
そして、この強化合宿を引き受けたのが、女子ソフトボール部 “ヴェールズ” を運営している伊予銀行です。四国地区に本社が所在する企業が “メインバンク” と認識する金融機関としてシェアトップを誇る伊予銀行は、ソフトボールを通じた地域活性化策として四国旅客鉄道株式会社(JR四国)と共に四国の観光や産業を紹介する「四国を元気に!プロジェクト」を推進するなど、地域のために尽力。
スポーツによる国際交流で、愛媛県と韓国の関係がさらに深まると期待される中、長田 浩専務取締役もかけつけ、両チームによる表敬訪問が行われました。
緊張気味の韓国代表
1929年に建てられた愛媛県庁は、緑色の丸いドームを乗せた塔屋を中央に左右対称に建物を配置した4階建ての洋風建築。松山市内の観光名所として撮影に訪れる観光客も多い街のシンボルとなっています。
韓国代表の選手15人と、伊予銀行ヴェールズの選手6人は、交流前に中村 時広愛媛県知事への表敬訪問をすべく、愛媛県庁にやってきました。多くのテレビ局や新聞社が集まる会場に入った韓国代表選手たちは、少し緊張した面持ちで座っています。
久門監督が「2年後に控えたアジア大会に向け、韓国代表はメダル獲得を目指しています。どこまでやれるかはわからないが、精一杯チャレンジしたい」と話せば、石村監督も「旧知の久門監督とこういった交流ができて光栄。目標とされるチームとなるよう、私たちもJDリーグのプレーオフ進出を目指して頑張ります」と中村知事に抱負を語り、中村知事との会話に華が咲きました。