鳥取県米子市から参加しているのは、角 佳樹選手です。
地元の病院でシフト制のフルタイム勤務をしている角さんの活動は、「体育館で1時間半程度の自主練習や、父とのトレーニング、車いすの走り込み、YouTubeでの研究などいろいろと工夫しています。」とのこと。同行していたお父さんも「中学くらいまでは野球とか陸上とかいろいろなスポーツにチャレンジしていましたね。車いすラグビーを紹介されて、Freedomの見学に行ったらその魅力にとりつかれて直ぐに加入してしまいました。」と劇的な車いすラグビーとの出会いを思い出して話してくれました。
「私は、この競技では珍しい先天性脳性麻痺(まひ)でプレーをする選手です。病気の性質上、どうしても手足の動きが一瞬遅れてしまうため、上手くプレーが出来ないことがあります。」と話す角さんにとって、セットプレーの練習が出来る合宿は実力を高める大切な機会とのこと。つきっきりでコーチする池さんも、「彼の障がいで車いすラグビーをやっている選手はいないので、その苦労は計り知れない。それでも一生懸命プレーする姿は本当に素晴らしい。」と角さんのプレーする姿勢を賞賛していました。
男女混合の珍しいスポーツである車いすラグビー。果敢に挑戦を続ける女性アスリートがFreedomにも在籍しています。高知県に住む森澤 知央(ちお)選手です。
普段は高知市内で、池さん、白川さんと練習を重ねる森澤さん。日本代表と一緒に日々激しいトレーニングに励む森澤さんの競技歴はまだ数ヶ月と聞き、ビックリです!
「まだまだやるべきことが多いので、池さんや白川さんと一緒に練習をできる恵まれた環境に感謝しています。」と森澤さん。同行していたお母さんも「車いすラグビーをやると聞いたときはビックリしましたが、娘がやりたいということは応援しています。競技を始めてから色々なことに前向きになってきましたしね。」と森澤の活躍に目を細めます。
現在、運転免許の取得にも励んでいる森澤さん。憧れの選手・AXEの倉橋 香衣(かえ)選手にも積極的に話しかけて、色々なことを教えてもらっているようでした。
合同合宿でAXEと腕を磨く
香川県高松市の合宿では、FreedomとAXEの対戦型の練習に多くの時間が費やされました。(合同合宿の様子も詳しくレポートしています。)
その中で、ひときわ存在感を見せていたのが池さんです。東京2020日本代表のキャプテンとして銅メダルに導いたキャプテンシーを、テレビ観戦では知ることのできないシーンが合宿で見ることができました。セットプレーはもちろん、基礎練習でもひとりひとりの動きに目を配り、アドバイスや指示を的確に出していく池さんの姿です。
AXEのハイポインター・峰島 靖選手と激しくぶつかりながら、他の選手たちに常に目を配って的確にポジショニングや対応の仕方をコーチしていきます。自分もプレーしているのに、なんでそんなに周りが見えるのでしょうか・・・
「それが仕事ですから(笑)」と優しく微笑む池さん。「Freedomにはいろいろな障がいを持つ選手がいます。その選手たちの特長を互いに共有することでプレーの精度は上がっていくんです。」と、自らだけでなくチーム全体でプレーする大切さを教えてくれました。
次世代を担う、渡邉さん、白川さんも池さんの指示に呼応するように、周りのチームメイトの特長を把握しながら、自分のプレーが活かせるように心がけたプレーが目立ちます。
名選手の遺伝子は、こういったチームの活動の中で受け継がれていくのですね!
チームを “支える” スタッフにも注目!
選手たちだけでなく、スタッフの皆さんもさまざまな地域から集まってきたようです。
今回の合宿に参加している杉本 麻美さん、榎本 美紀さん、山本 彩歌(さやか)さんは、それぞれ鳥取県、大阪府、高知県からこの合宿に参加しているんですって!
鳥取県倉吉市から参加している杉本さんは、「高知県で行われた講習会に参加した際、講師の方からFreedomが鳥取で合宿するという話を聞き、鳥取合宿で初めて車いすラグビーを間近で見たんです。その後、何回か関西のチームに見学に行ってスタッフや選手からいろいろお話を聞く中で、競技やチームにより深く関わりたいと思うようになってスタッフになりました。」とハマったきっかけを教えてくれました。
大阪府東大阪市に住む榎本さんも、劇的な車いすラグビーとの出会いがありました。
「私は、2011年にテレビで放送された車いすラグビーを題材にしたドラマを見て興味をもちました。車いすラグビーの活動について調べていたら、たまたまその時に住んでいた家から10分ほどの場所で練習をしているチームがあると知って・・・ 1度見学をしたらあまりの迫力にハマってしまいました。」と、榎本さんがドラマの題材になりそうな出会いのストーリーに驚いてしまいました。