しかし、得点は得点だとスコット選手のかけ声でチームみんなが喜びを分かち合っています。
あっという間のふれ合いの時は過ぎ、僅かな時間でしたが一緒に戦ったチームメイトで記念撮影をして別れを惜しみます。選手たちと生徒の皆さん、若きアスリートの日米交流は素敵な笑顔で満たされています。
少しの余った時間で、即席の記念撮影大会が始まると、選手たちはもみくちゃです!
コロンビア大のロングスナッパー(LS)パーカー・レフトン(Parker Lefton)選手も満面の笑みですね。最も多くの生徒のみなさんに記念撮影を求められていた、コロンビア大DBのマイク・フリューゲル(Mike Fluegel)選手も嬉しそうに応じていました。
「私は陸上選手なので球技は本格的にやっていないですし、英語も分からないから不安だったのですが、ジェスチャーでコミュニケーションが取れて本当に楽しかったです!」と嬉しそうに話してくれたのは、陸上部で短距離をしている佐野 晴風(はるか)さん。
今や世界レベルにある日本の陸上ですから、佐野さんもこの先、海外の選手たちと切磋琢磨する時に今日の出来事を思い出してくれるかもしれませんね。
続いては、教室に入り国際科の生徒の皆さんとの交流イベントです。黒板に書かれた “WELCOME” の大きな文字や、折り紙による装飾がなされた教室に入った選手たちは、歓迎のおもてなしに早速笑顔です。
こちらでは、選手ひとりに生徒の皆さんが2~3人ついて、お互いのことを話す時間のようです。生徒の皆さんは少し緊張した面持ちですが、パソコンやボードで作った自己紹介のプレゼンテーション資料を見せながら英語で思いを一生懸命に伝えていきます。
その熱意を十分に受け止めようと、ハーバード大DBのハリル・ドーシー(Khalil Dawsey)選手も真剣に生徒の言葉に耳を傾けます。
「Japan U.S. DREAM BOWL 2023」で見事、MVPを獲得したペンシルベニア大のランニングバック(RB)イザヤ・マルコム(Isaiah Malcome)選手も、プレー同様の真剣な眼差しで生徒のプレゼンテーションを聞いています。
お互いを分かり合えた後は、日本文化 “折り紙” で鶴を折るチャレンジです。こちらは自己紹介から様相が変わり、選手も生徒も笑顔で鶴を折っていきます。細かい手作業に大柄な選手は悪戦苦闘です。ハーバード大LBのソロモン・エッビ(Solomon Egbe)選手は、大きな身体を丸めて手先に集中しています。 ブラウン大オフェンシブライン(OL)のチャド・ブルーミー(Chad Bloom-Webster)選手は、大きな身体を丸めて手先の細かい作業に没頭します。太くて大きな手を重ね合わせると、「うわぁ~ 凄く大きいですね!」と生徒の皆さんもびっくりです。
選手の皆さん全員が、時間内に折り鶴を完成させたようです。完成した鶴を持って、嬉しそうに写真に写るジャック・ビル(Jack Bill)選手は、「今日の交流は何もかもが素晴らしかった。プレゼンでは3人のことを深く知ることができて、本当に良かったです。彼は通訳になりたい夢があると言っていたし、アスリートをサポートする仕事に就きたいと、僕と共通の夢を持った生徒もいたことが分かったしね。」と充実した時間を振り返ります。
ジャック選手と同じ夢を持つ、小田 百々果(ももか)さんは「スポーツ栄養士になりたいので、本格的なアスリートであるジャックに普段の食生活や、栄養素の摂り方などをもっと聞きたかったです。」と名残惜しそうに話します。消防士を目指す丸本 そらさんの「ジャックの優しい対応に、とても感動しました。」という笑顔に、この交流イベントの成功を実感しました。
橘高校がある神奈川県川崎市は、”アメリカンフットボールを活用したまちづくり“ を進める街。競技団体や地域、市民と連携しながら、地域活性化や青少年の健全育成の推進に取り組んでいるとのこと。スポーツをすることだけに焦点を当てるのではでなく、国際交流といった取り組みも加えながら多くの市民が参加できる工夫をしているのですね。
同行していたアイビーリーグ事務局(The IVY League)のキャロライン・キャンベルマクガバン(Carolyn Campbell-McGovern)副事務局長(Deputy Executive Director)も、「日本に来ることができて選手たちには貴重な経験になっています。今日は、日本の高校生から何を学びたいか。選手たちは事前に考えて訪問しています。きっと実りある交流になったと思います。」と、皆さんの笑顔を見ながら満足そうに話してくれました。