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夢幻のトライにファンの心臓はドキドキ!-後半戦

後半に入っても、両チームの激しい主導権争いが続きます。7分に、スピアーズがフォーリー選手のPGで10-10と同点に追いつくものの、サンゴリアスは11分に4選手を一気に入れ替え、モメンタムを渡しません。SH・齋藤 直人選手に代わり流 大選手が入ると、会場から割れんばかりの拍手が起こりました!

それもそのはず、W杯2023での活躍が期待されている流選手は、常勝・サンゴリアスを支える名SH。”流が、流れを変てくれる!” と、サンゴリアスファンの大きな期待が歓声に現れているのです。モメンタムを渡さないサンゴリアスは、14分にクルーデン選手がPGを決めて13-10と三度リードを奪い、14人とは思えないサンゴリアスらしいプレーを続けます。

しかし、16分に試合を大きく動かすビッグプレーが飛び出します。見せてくれたのは、スピアーズのHO(フッカー)で、南アフリカ代表としてスーパーラグビー “ベスト15” にも選ばれたマルコム・マークス選手でした。中央付近での混戦の中、サンゴリアスの松島選手がボールを蹴り出そうとした瞬間、”混戦の後方からオレンジ色の山が飛び出してきた” かのように立ちはだかってチャージ! これでボールを奪ったスピアーズはゴール前まで繋ぎ、最後はマークス選手が自ら飛び込んでトライを決めました。フォーリー選手のPGと合わせて13-17と再々逆転に成功です。

流選手の素早いパス配球から、ディフェンスの隙を突く攻撃を続けてきたサンゴリアスも25分、左サイドへ展開すると、途中出場の尾崎 泰雅選手がパスを受けてサイドラインを駆け抜けて逆転のトライ! ここまで続くシーソーゲームの展開にサンゴリアスファンのボルテージが最高潮に達します。

18-17と逆転し、更に追加点を狙ったPGの準備をする中、TMOで時計が止まります。最初のブレイクダウンでサンゴリアスがノックオンをしていたことが分かり、何とトライキャンセルになってしまいます。

すると37分、スピアーズのフォーリー選手がサンゴリアスのお株を奪うスペースへのキックを見せてスクラムのチャンスを作ると、アタックの連続からディフェンスの隙を突いてフォーリー選手がポスト左側に飛び込みトライ!更にPGも自ら決めて13-24と迫るサンゴリアスを突き放します。

“勝負ありか・・・” の雰囲気が高まる中、決勝進出へ執念をみせる14人のサンゴリアス。ノーサイドまで残り1分余りとなったスクラムからボールを繋ぎ、クルーデン選手がトライして18-24

このトライにより、1T、1Gで逆転が可能になる点差まで迫りますが、残された時間は1分を切るまさに “崖っぷち” の状況。 “ラストワンプレーで勝敗が決まる” ドラマのような展開となりました。

残り時間が無いため、クルーデン選手がティーを置かずにGをキック(結果は失敗)した瞬間、いよいよラストワンプレーを知らせるホーンが。会場はもはや、歓声とも悲鳴ともつかぬ声で溢れ、ラストプレーに臨む選手全員を応援する熱気と化していきます。

スピアーズのキックをリターンしたのは、自陣ゴールの目の前。ここから最後の攻撃をスタートさせたサンゴリアスオフェンスが、信じられないプレーを見せてくれます。

スピアーズディフェンス陣に何度も何度も倒されてもボールを繋ぐサンゴリアス。6分もの時間を掛け、規律を守りながら必死に少しずつ敵陣に切り込んでいくサンゴリアスの選手たちのプレーに鳥肌が立ちます。

中央付近でたまらずペナルティを取られ、倒れ込むスピアーズディフェンス陣も必死の防戦ですが、その建て直しを許さない流選手が素早くボールを出して左サイドへ大きく展開すると、松島選手がW杯2019を思い起こさせる華麗なステップワークで残り一人となったディフェンスを引きつけます。

そして敵陣まで40mを残し、松島選手からのラストパスを受けたのは、スピードスターの尾崎 泰雅選手です!先ほどのトライキャンセルの鬱憤を晴らすかのように、同じ左サイドを駆け抜けた尾崎選手。PG成功を狙って出来るだけゴール中央まで回り込んでトライした尾崎選手は、雄叫びを上げて仲間の元に駆け寄ります!

14人で常にアグレッシブなアタックを続けてきたサンゴリアス。最後にラグビーの女神が微笑む劇的な展開に、歓声が鳴り止みません。23-24と1点差まで詰め寄ったかと思ったのも束の間、またもやTMOでサンゴリアスのスローフォワードがあったとの判定で再びのトライキャンセルとなります。

これで試合終了・・・とならないのが今日のゲーム。サンゴリアスのスローフォワード前に、スピアーズの反則があり試合は続行。サンゴリアスボールでタッチキックから残りワンプレーが再開されることになりました。

敵陣5mでのラインアウトとなったサンゴリアス。スピアーズはラインアウトで競らず、自慢の重量フォワードでモールを押し返す作戦に出ます。一瞬押し返されたかに見えたサンゴリアスフォワード陣ですが、ここで最後のスイッチが入り、怒濤の押し返しを見せます。

時計回りに回転しながらゴールラインまで進んで行くモールがついに倒れ込みます!トライか?倒れ込んだ選手たちを掻き分け、レフリーがボールの行方を確認しますが・・・ モールに絡んでいる選手が多くボールの所在が掴めません。何とこの試合3度目のTMOによるトライ判定となりました。

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