世界最高峰のプレーを支える国内リーグ
オリンピック2大会連続金メダル。2023アジア大会で前人未踏の6連覇を達成。
世界で華々しい活躍を見せる日本女子ソフトボールですが、その選手たちを含む世界トップクラスの選手たちが鎬を削る国内トップリーグがあることを知っていますか?
全ての日本代表の選手たちが全国の16チームに分かれ、日本全国で世界レベルの試合を行うJD.LEAGUE(以下、JDリーグ)。4月13日(金)から開幕する3年目のシーズンに向け、各チームは自主トレやチーム練習を開始しています。
今年は7月15日から 7月21日にかけて、イタリアで開催される “XVII WBSC Women’s Softball World Cup(第17回WBSC女子ソフトボールワールドカップ)” 決勝大会への出場も控えている日本女子ソフトボール界は、来月から始まる各チームのキャンプを皮切りに、11月まで慌ただしくゲームスケジュールが組まれているのです。
ソフトボールの社会貢献活動
国内では、プロチーム、実業団チーム、学生チームなどがそれぞれのスポーツで日本一を。そしてその先の世界を目指して日々活動しています。その一方で最近では、スポーツ競技に没頭するだけで無く、競技の合間を活かした社会貢献活動を行うケースも増えているのです。
応援してくれるファンや支えてくれる人たち、チームが活動している地域の皆さんはもちろん、日本全国の地域に広がってきている社会貢献活動の輪は、日本を元気にしてくれる素晴らしい取り組みなのです。
女子ソフトボールのトップリーグ・JDリーグに所属するチームも例外ではありません。JDリーグ創設シーズンの2022年に準優勝、昨シーズンもプレーオフ準決勝に進出と、日本一の座で “あと一歩” まで迫るリーグ屈指の強豪チーム、豊田自動織機シャイニングベガ(愛知県刈谷市)も、年間活動の合間を縫って精力的に社会貢献活動を行っているのです。
今回Journal-ONE編集部は、ソフトボールトップチームが実施する社会貢献活動をレポートするため、シャイニングベガのソフトボールクリニックに潜入! スポーツを “する人” ”見る人” ”支える人” の笑顔溢れる交流の模様をご紹介することが出来ました。
取り組みが行われたのは、まだまだ冬の厳しい寒さが続く大寒期の1月27日。本拠地の愛知県から遠く離れた千葉県の松戸市における ”第2回 Matsudo ソフトボールフェスタ” です。
故郷の絆が紡いだ笑顔
一見、ご縁のなさそうな東京23区に隣接するベッドタウン・松戸市と、シャイニングベガの関係はどういったものなのでしょうか? 実はこの絆を紡いだのは、スポーツを “支える人” たちなのでした。
シャイニングベガのマネージャーを務める松井 稔音さんが、「私の地元である松戸市でソフトボールを楽しむ子どもたちと、私たち織機の触れ合いが出来ることになって嬉しいです。」と、このクリニックが始まった切っ掛けを話し始めてくれました。
地元・松戸市で中学校までソフトボールに打ち込んだ松井さんは、県内の名門校・木更津総合高校に進み、日本体育大学を卒業。「トップチームでプレーすることは叶いませんでしたが、ご縁があって豊田自動織機にお世話になることが出来ました。」と、松戸市出身の松井さんとシャイニングベガのご縁を教えてくれました。
その松井さんが小学校の頃に所属していたチームで、監督やコーチを務めていたのがこのクリニックを主催した “Matsudoソフトボールフェスタ実行委員会” の代表である矢野 鉄男さんだったのです。
「卒団してから接点は無かったのですが、父が卒団後も矢野さんと交流を続けているんです。2022シーズン、千葉市のマリンスタジアムで行われた優勝決定戦に織機が出場することを父から聞かれた矢野さんたちが応援に来てくださり、ご縁が復活したんです。」と松井さんが話せば、「折角いただいたご縁を繋いでいくために、地元で頑張っている子どもたちにトップ選手の練習を教えてくれないかとお願いしたのです。松井さんが会社に掛け合ってくれて、豊田自動織機さんも快く応じてくれて昨年、第1回のフェスタが実現したんですよ。」と矢野さんが笑顔で話してくれました。
少子化の影響で、矢野さんと松井さんが所属していたチームは解散してしまいましたが、10数年の時を経て、かつて汗を流した松戸市内のグラウンドに立つ2人の笑顔は、クリニックの開始を今か今かと楽しみに準備運動をする故郷の次世代の選手たちに向けられていました。
LA2028のその先へ
松戸市内18チームのソフトボールクラブに所属する、小学校4年生と5年生が主な対象となったこのクリニック。来シーズンの主力学年としてチームを牽引する100名を超える選手たちが、松戸市内の小学校グラウンドに集まりました!