戦国・東地区の旗印となる活躍を見せた前半戦 – 東地区6位(5勝13敗)
2022シーズン10勝19敗、2023シーズン6勝23敗と大きく負け越した過去2シーズン。この状況を打開するため、大垣ミナモはリーグ最多となる10選手を放出し、新たに外国人選手2名を含む9選手を補強した。
捲土重来を期して臨んだ今シーズン、その狙い通りに新戦力がチームにマッチした大垣ミナモは、序盤から数々の劇的な試合を展開。熱狂的な地元ファンはもちろん、全てのソフトボールファンにも「戦国・東地区」を強く印象付ける戦いを見せてくれた。
地元・大垣で迎えた開幕ラウンド。ナイトゲームの開幕戦こそ、NECプラットフォームズレッドファルコンズの本塁打攻勢に敗れたものの、続く土曜日の太陽誘電ソルフィーユ戦に勝利。1,260人の地元ファンに幸先良い勝利を届けた大垣ミナモは、この試合で2失点完投勝ちした新外国人のSamantha Show(サマンサ・ショー)投手を軸に、4月の快進撃が始まった。
青い目の“二刀流”が上位チームを撃破
第2節の大宮ラウンド2戦目。昨シーズン、プレーオフで日立サンディーバを下してダイヤモンドシリーズに進出した強打のホンダリベルタを相手に、ショー投手が1失点の完投で勝利を挙げる。
さらに翌週、第3節の掛川ラウンドでは、そのホンダリベルタを下して2年連続でダイヤモンドシリーズ決勝にコマを進めた、絶対王者・ビックカメラ高崎ビークイーンにもショー投手が立ちはだかる。同点で迎えた4回表には、自身のバットで決勝の2ランホームランを放つと、そのまま1失点で完投勝利。
そして翌日、こちらもプレーオフの常連・デンソーブライトペガサス戦にも先発登板を果たしたショー投手は、同点で迎えた6回裏に「昨日のダイジェストを観ているのか?」と目を疑う、連日の勝ち越し2ランホームランを放って、2失点の完投勝利。この時点で、上位に浮上した大垣ミナモに大きな注目が集まることになった。
情報戦でリベンジを果たされた後半
東京2020金メダル、今夏イタリアで開催された”XVII Women’s Softball World Cup 2024 Finals(第17回 女子ワールドカップ ファイナル)”でも金メダルを獲得した女子ソフトボール日本代表。代表選手全員が活動していることはもちろん、アメリカ、オーストラリア、イタリア、中国など各国の代表選手に選出された選手たちも鎬を削り合うJDリーグは、正に“世界屈指の女子ソフトボールリーグ”だ。
世界屈指のリーグで「勝ち逃げ」を許すほど、各チームの分析力、対応力は甘くなかった。
5月に入り、大垣ミナモに敗れた太陽誘電ソルフィーユ、ホンダリベルタ、デンソーブライトペガサス、そして王者・ビックカメラ高崎ビークイーンが立て続けに牙をむく。
先勝した5チームに5連敗を喫する中、ショー投手はもちろん、チーム全体の攻撃力も影を潜めた大垣ミナモは、スターティングラインナップの変更を余儀なくされるほど苦しむことになる。
前半絶好調だった新キャプテンの近本 和加子選手、広角に安打を打ち分ける内田 小百合選手、チャンスに強い”推しのソ”の伊藤 梨里花選手といった主力選手が徹底的なマークを受けたチーム打率は、リーグ16位の.166まで落として前半戦を終了することになった。
マインドセットで臨む後半戦のポイントは
防御率3.78(東地区6位)とはいえ、最多イニングを投げたショー投手の防御率2.40という数字は、上位チームにも引けを取らない成績だ。日本代表候補に選ばれ、期待の掛る”推しのソ”中山 日菜子投手の復活が、上位進出に欠かせない要素となる。
制球力が良く、テンポの良い投球で試合の流れを呼び込む投球術が魅力の中山投手が先シーズン並みの調子を取り戻せば、打撃陣にもリズムが出てくるはず。