4回裏には、“戻ってきた” 主砲の塚本選手がこの日2本目となるホームランを左越えに放つなど、3安打、2ホームラン、6打点の活躍で “Most Wow! Player” に輝くなど、14安打14得点でとブレイブベアリーズ投手陣を打ち崩して大勝しました。
試合後、加藤監督が “塚本選手が戻ってくる予言” をしたことを伝えると、「ミートに徹し、しっかと打つことができました。チームの勝利がより近くなるよう、今日のようにしっかりと打点を挙げられる打撃を見せたいです。」と復調に手応えを感じながら笑顔で答えてくれました。
東軍・上野国 vs 西軍・伊予国
夏を思わせる強い日射しとなったこの日ですが、季節はまだ初夏。夕刻から始まった第4試合は “夜戦”(ナイトゲーム)。今度は、今までレポートしてきた3試合とは異なる、1点を争う息詰まる展開となりました。
昨シーズン5位、今シーズンはここまで3勝8敗の太陽誘電ソルフィーユ(群馬県高崎市)と、昨シーズン5位、今シーズンも4勝6敗で6位の伊予銀行ヴェールズ(愛媛県松山市)。ここまでビッグウェーブを掴みきれない戦いが続きますが、共に昨日の交流戦初戦を勝利した勢いを活かしたい一戦です。
先ずマウンドに上がったのは、昨日完封でチームに3勝目をもたらしたソルフィーユのエースの曽根 はんな投手。シーズン序盤の局面でエースの連投策となりましたが、好調のエースに勢いを付けてもらって流れに乗る作戦です。
対するヴェールズの先発は、ルーキーながら今季2勝を挙げている遠藤 杏樺投手。「東地区には速球派投手が多いので、ストレートだけでは通用しないなと思っていました。配球を考え、緩急と様々な球種を織り交ぜて勝負しました。」と話したとおり、様々な球種を内外角に投げ分けて得点を許しません。
序盤から走者を出すものの先発投手の踏ん張りで、なかなかホームを踏めない両チーム。回を追うごとに高まるスタンドの緊張感と共に、選手たちのプレーはますます研ぎ澄まされていきます。
ヴェールズの快足1、2番コンビ。松瀬 清夏選手と齋藤 明日加選手も、持ち前の転がす打撃で1塁ベースめがけてヘッドスライディングを見せますが、出塁することができません。
「それならば!」と、中軸の3番・辻井 美波選手、4番・本間 紀帆選手でチャンスメイクしますが、連投のエース・曽根投手が力投を見せてこちらも得点を許しません。
中盤に入り、ソルフィーユも4回に6番の向山 琴葉選手が、5回には9番の須田 真琴選手が先頭でヒットを放って得点のチャンスを作りますが、ヴェールズ内野陣のスーパープレーが飛び出して遠藤投手を助けます。
拮抗した “夜戦” は終盤にドラマ!
膠着状態が続く中、最初に動いたのはヴェールズ。6回のマウンドに、3本柱の一角!昨日、強打のホンダ リヴェルタ打線を1失点に抑えて完投勝利を挙げた黒木 美紀投手をマウンドに送ります。対するは、ソルフィーユの主砲・中溝 優生選手。昨年の日米対抗ソフトボールでとして活躍するなど、日本男子ソフトボール界のニュースターとして期待の高い中溝選手が四球で3イニング連続の先頭打者出塁を果たします。
何としても得点圏にランナーを進めたいソルフィーユは、続く木下 華恋選手がバント。これを前進していた一塁手の井上 瑞希選手がライナーで好捕すると、180度後ろのファーストベースに向かって矢のような送球!これを素早くベースカバー入っていた二塁手の芦田 歩実選手が捕ってダブルプレー。またも守備のビッグプレーでヴェールズが流れを引き寄せました。
6回2死無走者、続く向山選手も1-2と追い込まれ、いよいよ7回の攻防で勝負が決するかと思った矢先、前の打席で二塁打を放っていた向山選手のバットが火を噴きました!
真ん中付近の速球を叩くと、レフト頭上への大きなフライ。打球はレフトフェンスに張り付く齋藤選手が見上げる頭上を越えて先制ホームラン!ついにソルフィーユが1点をもぎ取りました。
最終回、何としても追いつきたいヴェールズ。先頭の打率5割・キャプテン安川 裕美選手がヒットを放って反撃の狼煙を上げると、2死ながらも2塁に同点のランナーを進めます。ここで、ソルフィーユの “名将” 山路 典子監督がマウンドに向かい、選手たちを鼓舞。緊張感ある時間が続き、スタンドも必死の応援です。
ヴェールズがひっくり返すか。ソルフィーユが守り切るか。運命の結末は!?
2死1、2塁、フルカウント・・・最後は、曽根投手が踏ん張りきって2試合連続の完封勝利!ソルフィーユが東西対決岐阜の陣を連勝で飾りました。
試合後、ヴェールズの “名将” 石村 寛監督は、「何としても連勝したかった。」と絞り出すように話し始めます。再三好プレーでピンチを凌いだ守備についても、「昨日のホンダ戦でも守備からリズムを作って、接戦を我慢強く戦ってワンチャンスをモノにして勝てました。この試合も接戦に持ち込んでいただけに。」と、悔しさを滲ませながら少しずつ試合を振り返ります。