2000年のオリンピック・シドニー大会で銀メダル、2004年のオリンピック・アテネ大会で銅メダル。 “宇津木ジャパン” と呼ばれた戦士たちは、監督自らが1分間に40本のペースで打ち続ける “速射砲ノック” で高い守備力と強靱な精神力を身に付け、絶対王者・アメリカに挑戦し続けたその経験から、「高山選手(高山 樹里さん:1996年オリンピック・アトランタ大会から3大会連続でオリンピックに出場)も19歳の時にアトランタオリンピックに選出されています。ですから、今大会に選出されている選手たちも十分にロス五輪に出場する可能性はありますよ。」と教えてくれました。
日本代表を抑え、WBSCランキングで1位を死守するアメリカ代表のレジェンドも、この大会の意義を話します。
アメリカ代表チームに帯同しているKelly Kretscman(ケリー・クレッチマン)さんは、2004年のオリンピック・アテネ大会で金メダル、2008年のオリンピック・北京大会で銀メダルに輝いたアメリカが誇るソフトボール界のレジェンド! 日本リーグ‘(現在のJDリーグ)でも活躍した経験を持っています。記念すべき第1回の開会式に整列する各国の選手たちを眺めながら、「私が15歳のころは、アメリカ国内だけてプレーしていました。若い時から海外に出て、世界の選手たちとプレーできるというこの素晴らしい経験を楽しんでもらいたいですね。」と話していました。
後輩の活躍に自分たちの未来を重ねて
開幕戦に続き日本代表と台湾代表の試合も行われるとあって、駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球場には、“JAPAN” のレプリカユニフォームを着た多くのファンが詰めかけました。
その中には、同じロス五輪への出場を夢見て日々汗を流す、アスリートたちの姿もありました。こちらの皆さんは、東京国際大学ソフトボール部の選手たち。宇津木さんが総監督を務める部員の皆さんは、去る9月に佐賀県で開催された、“第75回全日本総合女子選手権” でJournal-ONE編集部が取材していた皆さんです。
「秋のリーグ戦はあまり良い成績が残せなかったのです。冬にしっかりトレーニングを積んで、一回り成長します。」と、西内ガブリエルゆみ選手(小平西高)が近況を教えてくれました。ロス五輪でソフトボールが正式競技に復活することについては「5年後って言えば…24歳?25歳?」と未だ現実感が無いほど遠い未来のようでしたが、「もちろん、日本代表になりたい。先ずはインカレでの優勝を果たし、JDリーガーになって代表に選ばれるような選手になれるよう頑張ります!」と、皆さん笑顔で大きな目標に向かう決意を話してくれました。
予選ラウンド・全勝の日本代表
開会式に続いて行われた日本代表と台湾代表の試合は予選屈指の好カードとあって、開会式から更に観客も増えて会場は益々の熱気に包まれています。
今年の6月11日から17日かけ台湾で行われた “第1回女子U15アジアカップ” では、台湾代表が3∸2で日本代表を下して初代女王の座に輝きました。因みに、アジアカップ予選リーグでは日本代表が3-0で台湾を下していますので、今年の戦績は1勝1敗の五分。
ロースコアでの接戦が予想さたとおり、日本先発の梶目 莉空投手(広島プリンセス)、台湾先発のKUO Li-Yu投手の好投で序盤に0を重ねた両チームでしたが、先制したのは日本代表でした。
3回二死のノーチャンスから、2番の櫻木 藍睦選手(福岡・KGスラッガー)が技ありの内野安打で出塁すると、今大会のキャプテン・3番の加減 夢華選手(佐賀女子短期大学付属佐賀女子高)がボールを上手く手元に呼び込んでのツーベースヒットを放つと、櫻木選手が俊足を飛ばして一塁から一気に生還。高い技術を見せて欲しかった先制点を奪います。
その後は、梶目投手から中村 律投手(東京・神田女学園中)、山本 心音投手(大阪・岸城クラブ)と継投した日本代表投手陣が台湾代表を無失点に抑えて白星発進となりました。
10月24日まで行われた予選リーグは、グループ1の日本代表とグループ2のアメリカ代表が共に5戦全勝(共に不戦勝1を含む)で首位通過。10月26日から29日まで開催されるスーパーラウンドに駒を進めた日本代表は、4チームの総当たり戦でも全勝を狙います。
[スーパーラウンドの日本代表戦予定]
10/26(木) 14:00 フィリピン代表戦 大田スタジアム
10/27(金) 14:00 アメリカ代表戦
10/28(土) 14:00 ペルー戦
上記3戦での順位をふまえ、10/29(日)の11時からは3位決定戦、14時からは優勝決定戦が行われるスーパーラウンドの会場は、東京都大田区にある大田スタジアム。JR大森駅、京急平和島駅、東京モノレール流通センター駅と、どこからでも行きやすいスタジアムです。