前回の東京2020に出場し、最下位の12位に終わり悔しい思いをしている平野選手。「前回のオリンピックでは悔しい思いをしています。パリに向けたスタートラインに立てたので、メダルを獲得できるように頑張りたいです。これから世界と戦う準備をしていきたい。」と意気込んでいました。
決勝で2つのトライを決める活躍を見せた大谷選手は、「チーム全員で準備してきて、それが勝利という結果で終われて良かったです。アジア大会で負けてから中国を倒すという気持ちでやってきたので。」と、大会を振り返ります。
自身の鋭い突破からのトライについては、「練習から個人の仕掛けで相手のディフェンスの裏に出ることを意識してきました。自分の強みである思い切り前に出る意識が、トライにつながりました。」と、笑いで振り返ってくれました。
パリ五輪に向けては、「前回の東京大会は最下位に終わっているので、パリではメダルを獲得できるように頑張りたい。世界で戦えるようにタックルやフィジカルを強化していきたい。」と、具体的な強化ポイントを挙げて決意を語ってくれました。
奇跡の逆転トライ!
男子セブンズ日本代表も、大方の予想を覆して日本のファンを熱狂させてくれました。
予選プールAを2勝1敗で決勝トーナメントに勝ち進んだ男子セブンズ日本代表は、準決勝でUAE(アラブ首長国連邦)に苦しみながらも21-5で勝利。パリ五輪出場をかけた決勝で、10月のアジアセブンズシリーズや9月のアジア大会で敗れていた香港と対戦しました。
前半1分、香港に先制トライを許しますが、前半3分、フィジカルの強さもある石田 大河選手(浦安D-Rocks)がタックルを2つかわしてゴールへ走りきってトライ! コンバージョンゴールも決まって同点に追いつきます。
しかし、難敵の香港は前半7分、日本のディフェンスの裏にボールを蹴ると、チェイスに競り勝って勝ち越しのトライ。後半に入ってもブレイクダウンなどで日本代表にプレッシャーをかけ続ける苦しい展開となります。
しかし後半6分、ホームで熱い声援を受ける日本代表は、敵陣22メートルライン内に入ると、石田 吉平選手(横浜キヤノンイーグルス)が軽快な動きで相手をかわすと、オフロードパスをもらった谷中 樹平選手(トヨタヴェルブリッツ)が中央を抜けてトライ! コンバージョンゴールも成功し、遂に同点に追いつきました。
ホーンが鳴ったところで、相手の反則からペナルティキック(PK)を得て攻める日本代表。奥平 湧選手(三菱重工相模原ダイナボアーズ)の力走でゴール右に迫り、サポートもついて素早くボールを動かして丸尾 崇真選手(神奈川タマリバクラブ)がタックルを引きずり一回転しながらゴールライン上にボールを押さえます!
トライか?トライキャンセルか? TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)でトライが認められ、コンバージョンゴールも成功すると選手はもちろん、会場も狂喜乱舞する劇的な逆転勝利となりました。
試合後、サイモン・エイモー ヘッドコーチは、新しいチームで成し遂げた偉業について、「今回のスコットの中で東京オリンピックを経験した選手は一人しかいませんでした。新しいチームでしたが、経験、スピード、フィットネスの改善に努め、ジャパンスタイルという日本人の特長にあったセブンズラグビーを構築し、準備してきました。」と、チーム作りが上手くいったことを挙げました。
「選手たちにとって、初めてのホームでの大会。家族や友人の前でプレーできましたし、サポートも素晴らしかったです。それが最後のプレーにつながったのだと思います。」と、応援してくれたファン、関係者の皆さんに感謝していました。
さぁパリ五輪へ! 7人制ラグビーを応援
最後まで諦めないダイナミックなラグビーで、日本のファンに感動を与えてくれたセブンズ日本代表の選手たち。サクラセブンズはワールドシリーズで世界各国に赴き、世界の強豪を相手にパリ五輪に向けた更なるレベルアップを図ります。男子も、日程は未定ですがパリ五輪を標準に半年余りの時間を使い、メダル獲得へ向けてチーム力を強化していくと思われます。
今回優勝を逃した男子の2位・香港と3位・中国(3位決定戦でUAEに36ー0で勝利)、女子の2位・中国と3位・香港(3位決定戦でタイに12-0で勝利)は、来年6月に予定されている世界最終予選(敗者復活戦)に出場し、最後の1枠を争います。大一番を勝ちきった男女セブンズ日本代表は、厳しいスケジュールを回避してとても良いコンディションでパリ五輪を迎えることになるのです。
Journal-ONE編集部は、益々アツくなる “7人制ラグビー” をこれからも応援していきます。