第77回 ライスボウル(RICE BAWL)
2024年、新たな年が始まりました。この時期恒例のスポーツと言えば “学生スポーツ” に注目が集まるところ。“第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)” “第102回全国高等学校サッカー選手権大会(高校サッカー)” “第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会(高校ラグビー)”と、1世紀以上の歴史を刻む学生の汗と笑顔と涙に多くの人が感動したことでしょう。
その学生スポーツに端を発し、今では社会人アメリカンフットボールリーグのXリーグの優勝決定戦として開催されている大会、“ライスボウル(RICE BAWL)” も見逃せない正月のスポーツイベントなのです!
1948年に学生オールスターの東西対抗戦として始まったライスボウルは、1984年から日本選手権として学生代表と社会人代表が対決する場となりました。そして、2022年からは社会人優勝決定戦と変わり、今年は “アメリカンフットボール日本選手権 プルデンシャル生命杯 第77回ライスボウル”として東京ドームを舞台に熱い戦いを見せてくれました。
1月3日、お正月休みでやや閑散とした都心のど真ん中には試合開始2時間前にもかかわらず、たくさんのアメフトファンが詰めかけています。
3連覇か? 三度目の正直か?
2022年ライスボウル、24対18で “富士通フロンティアーズ”、2023年ライスボウル、29対21で “富士通フロンティアーズ” と目下連覇中の富士通フロンティアーズが、3連覇に向けて2024年のライスボウルに駒を進めてきました。
Xリーグのトップカテゴリ(X1 Super)ディビジョンBで全勝し、トーナメント方式のプレーオフを勝ち上がってきたフロンティアーズに対するのは、昨年、一昨年と僅差で涙を呑んだディビジョンAの覇者 “パナソニックインパルス” です。
昨年のライスボウル、続く “Japan U.S. DREAM BOWL 2023” でも活躍したインパルスのディフェンシブバック(DB)のジョシュア・コックス(Joshua Cox)選手は、リベンジへの自信を覗かせます。
「チームも自分もとても良いコンディションで今日を迎えています。今日はインターセプトを必ずするよ。成功したらダンスパフォーマンスをするから注目して下さいね。」と、笑顔で話してくれました。
デトロイト出身、NCAA Division 1のFBS (フットボール・ボウル・サブディビジョン)というカレッジフットボール最上位に属するセントラルミシガン大でプレーしていたジョシュア選手。地元・デトロイトと温暖なアリゾナに自宅があるそうで、「優勝して2月の始めには帰国します。今年は、チームメイトが遊びに来るので、地元の観光地を案内するからオフも忙しいよ。」と、大舞台を前にしてもリラックスして身体を温めていました。
アメフトならでは! –試合前のセレモニー
世界最大のプロスポーツリーグである、アメリカ合衆国のプロアメリカンフットボールリーグ(NFL)に代表される通り、アメリカンフットボールのイベントはゲームに勝るとも劣らないエンターテイメントです。
ライスボウルでは、X1 Super全16チームのチアリーディングが揃って華やかなダンスを披露したり、“明日のライスボウラー” を目指すタッチフットボールのチーム・ジュニアインパルスの選手たちも晴れの舞台を楽しんでいる様子です。
もうこの時間になると、内野スタンドは20,202人のファンがフロンティアーズの赤とインパルスの青に真っ二つに分かれてほぼ満員。アメリカでは、エンターテイメントを楽しみに来場するファンもいますので、こういった楽しみ方が日本でも知られるようになれば、新しいファン層の獲得に繋がるかもしれません。
また、今年は2日前の元旦に起こった ”令和6年能登半島地震” を受け、黙とうを捧げるセレモニーもありました。主催者である一般財団法人日本アメリカンフットボール協会では、被災地に義援金を贈ると表明し、まだ全容が分からない現地の皆さんが1日でも早く日常を取り戻せるようにとファンにも募金の協力を促していました。国・地域を越え、世代を超えて繋がるスポーツの良さは、こういった不測の事態にいち早く対応できることにも現われています。
アメフトの試合の流れって?
「スポーツは好きだけど、ルールが分からないから・・・」と、未知のスポーツ観戦を躊躇ってしまうこともあるでしょう。Journal-ONEは、未知のスポーツを楽しめるような記事配信をモットーとしていますので、アメフトの試合の流れをご紹介しましょう!
アメリカンフットボールの試合は、5分ずつの4ターム(クォーター)に分けて行われ、長さが100ヤード(91.4メートル)、幅が53.3ヤードのフィールドを使います。