バントのシーンでも、「とにかくシンプルに、コツがいつまでも頭に残るようにポイントを絞って伝えました。」と、分かりやすい指導を心掛けていた福重選手。その解説をスマホで動画撮影するコーチ、父兄の皆さんも福重選手のメソッドを吸収しようと必死です! 福重選手のわかりやすい解説が、今回参加できなかったチームの選手たちにも還元され、全員のレベルアップに繋がること間違いなしですね。
カスタマイズした丁寧なアドバイス -森本 なるか投手
「小学生なので、もっと基本的なアドバイスになると思っていたのですが・・・」と、少し驚いた表情で話すのは森本 なるか投手。ウインドミルを投げるための基本練習 “ブラッシング” を必要とする選手がいない松戸市の投手レベルの高さに舌を巻いています。
昨年夏に地域を元気にする企画で、森本投手の母校である高知丸の内高校との交流を企画したJournal-ONE編集部。部員が少なく合同チームでインターハイに出場した母校の話しを伝えると、「こんなにたくさんの選手たちがプレーしている松戸市は凄いですよね。私も今シーズン、チームの勝利に貢献する活躍をお見せして地元・高知のソフトボールの活性化に貢献したいです。」と話す森本投手。
このクリニックでは、1タームで15人ほどが投球し、選手たちひとりひとりの投球をじっと見つめては、それぞれ異なったアドバイスを送ります。
「投げやすいフォームはひとそれぞれ。相手打者にとってはそれが武器になることもあるのです。先ずは速い球をしっかりと制球できる自分に合ったフォームやタイミングを見付けながら、自分らしい投球スタイルを確立していって欲しいです。」と、横で聞いているコーチたちにも選手それぞれの個性を説明していました。
トップ選手との対決にドキドキ
クリニックの最後に行われたのは、参加選手たちとシャイニングベガの選手たちが真剣勝負する “エキシビジョンマッチ” が行われました! 憧れの選手たちとの対戦はもちろん、100名を超える観客に囲まれ、緊張気味の選手たちでしたが、試合が進むにつれて両チームのテンションがどんどん上がっていきます。
池上選手のツーランホームランで先制したドリームチームは、次々と繰り出す松戸市選抜選手たちのボールを “大人げなく(笑)” かっ飛ばしていきます。
会場が最も盛り上がったのは、今年シャイニングベガの主軸として期待される福重選手の豪快なバッティングでした。右中間を深々と破る強烈な打球を放った福重選手は、快足を飛ばしてあっという間にダイヤモンドを一周。と思いきや、続けてダイヤモンドを全力疾走で2周目に入りました! ボールが校舎まで達し、必死の中継プレーで内野へボールを送る松戸市選抜でしたが。その様子を見た福重選手は更に3周目のダイヤモンド一周に向かいます!
これを観た会場の全ての人たちは大爆笑。3周する福重選手を応援する声が、一生懸命に中継プレーをする松戸市選抜の選手たちを応援する声に変わり、全員が笑顔で夢の試合を楽しみました。
特別な体験に夢見心地
「このイベントに参加することをとても楽しみにしていました。」と少し恥ずかしそうに話し始めてくれたのは、エキシビジョンマッチで先発登板した鈴木 芽衣さん(小学校6年生)です。
「JD.リーグがあることは知っていましたが、今日来ていただいた選手の皆さんは本当に凄かったです。」と、憧れのJDリーガー・森本選手からヒットを放った鈴木さんは、とても嬉しそうに話し続けます。
「皆さんのようなJDリーガーになって、日本代表に選ばれるような選手になりたいです!」と、はっきりとした口調で夢を教えてくれた鈴木選手にとって、今日のこの時間は人生にとって素晴らしいギフトになったようでした。
シャイニングベガの選手たちをサポートする役目を果たした中学生・間淵 さくらさん(中学校1年生)は、須藤選手のキャッチボール役やボール出しをしながら終始真剣な表情でその動きを見つめていた選手です。
「何から何まで勉強になりました。」と目を輝かせる間渕さん。「中学校にソフトボール部が無いので、市内にあるクラブチームに所属してソフトボールを続けています。もっと上手くなれるよう、今日学んだことを活かしたいです。」と、嬉しそうに話してくれました。
小学校4年生ながらも、元気いっぱいに投げ込みをしていた片桐 亜瑚さんも、「今日は本当に楽しかった。森本選手に直接教えてもらい、とても嬉しかったです。」と目を輝かせて話してくれました。
森本投手にチェンジアップの投げ方を教わっていた片桐さんも、「もっと上手くなりたいです。」と、更なるレベルアップを誓っていました。
やはりこの時間が一番?
全ての練習メニューを終えると、選手たちへの質問タイムとサイングッズの抽選会が始まりました。
選手たちに飛びかからんばかりの前のめりになった子どもたちからは、「彼氏はいますか?」「得意な料理は何ですか?」といった、思わず選手たちが苦笑いをしてしまう “鋭い質問” を連発。日が暮れ始め寒くなってきたグラウンドには、いつまでも笑い声が響きます。