実業団チームが支える競技柔道
“オリンピック” における日本のお家芸 “柔道競技”。男女14階級で金メダル9個を獲得した “東京オリンピック(以下、東京2020)” から3年が経ち、“パリ・オリンピック(以下、パリ五輪)” イヤーとなった2024年。
楽しみなパリ五輪で活躍が期待される、女子柔道63kg級の日本代表候補である髙市 未来選手は、実業団チームの “コマツ女子柔道部” で日々心技体を磨いているのです。コマツ女子柔道部を取材したJournal-ONEは、髙市選手へのインタビューを通じて、髙市選手の魅力とコマツ女子柔道部への想いを聞くことができました。
パリ五輪代表の男女14階級が内定した柔道競技の選手たちを見ると、そのほとんどが “実業団” に所属する選手たち。世界トップレベルを維持する日本の柔道競技を支えている実業団のチームは、一体どういった環境でどういった練習をしているのでしょうか?
その疑問を解消すべく、4年に一度の “うるう年” となった2月29日、Journal-ONE編集部は実業団チームの練習に潜入! 競技柔道に取り組む選手たちとチームを支える会社の皆さんの強い絆で結ばれた素敵な関係を知ることができました。
自然な流れで柔道の道へ
「兄が柔道をしていて、練習を見に行くうちに当たり前のように柔道を始めました」と、柔道との出会いは自然な流れだったと振り返る髙市選手。
「目の前の課題を一つひとつクリアしていくことが嬉しくて。それを続けているうちに、中学、高校、そしてコマツに入社して今に至っているのです」とのこと。世界屈指のオリンピックメダリストという姿は、積み重ねた努力が生んだ賜物だったのですね。
「私は器用な選手ではないので、”将来、オリンピック選手になりたい!“ という目標を持って柔道に打ち込んでいたわけではないのです。今でも、一試合一試合を泥臭く、必死に戦っています。阿部 詩選手のような必殺の投げ技などありませんから(笑)」と笑顔の絶えない髙市選手ですが・・・
「泥臭く、一生懸命に戦い続ける私の柔道を、是非会場で観て欲しいです」と話す真剣な眼差しは、“何かを掴んだ人” が見せる自信に溢れていました。
迫るパリ五輪へ
「パリ五輪までは、国内を中心に調整していく予定です。特に怪我には気を付けて、コンディションを整えていきたいと思っています」と、5ヶ月後に迫った “ひのき舞台” に向けて準備を進めている髙市選手の笑顔には余裕が感じられます。
「私たちはコマツの社員として生産性のある仕事をしている訳ではないので、パリ五輪で頑張る姿をお見せすることで、少しでも会社の皆さんに恩返しできたらなと」と、日頃応援してくれる社員の皆さんへの感謝を口にする髙市選手。
五輪代表選手内定を勝ち取った ”グランドスラム東京2023” において、表彰台の最上段で歓喜の涙を見せた髙市選手は、「いやぁ・・・ 涙もろくて」とはにかみながらも、「国旗掲揚の際、色々なことが頭をよぎっていたのですが、会社の大応援団の皆さんの姿が目に入ったんです。それで、今まで応援していただいた会社の皆さんの顔が浮かんできて、涙を堪えることができなかったですね」と、感動的なシーンを演出したコマツ女子柔道部とコマツ社員の強い絆が分かるエピソードを教えてくれました。
大好きなコマツを語る
柔道部については、「何にも主将らしいことはしていないんですよ。部員ひとりひとりが考えて、主体的に動いてくれているので、私が何にもしなくても柔道部の雰囲気はとても良いです」と謙遜する髙市選手。