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Journal-ONE | パリ五輪応援企画 柔道 実業団の名門・コマツ颯志道場潜入レポート
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メンタルを良い方向に

柔道に限らず、メンタルを良い方向に持っていくのは、勉強でも仕事でも全てにおいて役立つスキルです。松岡総監督にそのコツを聞いてみました。

「私は本来あがり症で、マイナス思考。格闘技に向いていないと思っていましたが、あるときにメンタルが成長してオリンピックでは自分の体調も上手くかみ合って、心技体が充実して結果に繋がったと思います」と、自らの体験を話してくれました。

「モスクワの世界選手権のことです。私の1歳年下にスーパースターの山下さん(山下 泰裕現JOC会長)がいました。当時は重量級から試合が始まっていたので、私の出番よりも先に試合をするスーパースターの彼を応援していたのです」と、始めた松岡総監督。

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心技体が一体となる瞬間を生むべく指導を工夫する松岡総監督-Journal-ONE撮影

「スーパースターは緊張なんかしないのだろう。私は初めての国際大会で普通に歩けないほど緊張していたのにね。しかし、応援に行くと凄く緊張している山下さんが試合に臨んでいたのです。それを見た私は、試合の直前で開き直れることができたのです。怖さよりも自分がやってきた自信が上回ったのです。」自分に自信を持ち、メンタルの弱さを克服したエピソードは、私たちにも活かせるアドバイスです!

レベルの高い日本柔道界では更に

「オリンピックで日本代表になるには各階級で1人だけです。上位にいる数人の実力はほとんど変わりませんので、あとは自分を理解して相手を良く研究して勝てる確率をできるだけ上げて臨むのが世界で戦う重要なことだと思います」と、更に世界で戦う難しさに触れた松岡総監督。

「”世界に出る” と “世界で勝つ” の違いは運もありますが、ぶれない自分を如何に作っていくかが大切です。大舞台で自信を持って戦える武器があるか、マインドをコントロールできるかということですね」

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選手たちの練習を見つめる松岡総監督-Journal-ONE撮影

「平常心で戦うことは本当に難しいのです。私だからかもしれませんが、オリンピックの試合前には眠れない日々を過ごしました。このままでは、試合前に倒れてしまうのではと思ったくらいです。オリンピックに出場するプレッシャーは大きかったですが、自分の人生を自分で変えようと決意していたので何とか戦えました」と、笑いながら当時のことを振り返ります。

「今の子は、私よりもずっとプレッシャーに強いと思いますけどね。才能も豊かな選手がたくさんいますので、それを活かして世界で勝てるように手助けすることが私の使命だと思っています」と、優しい笑顔で選手を思う松岡総監督でした。

コマツ女子柔道部が目指すものは

「常に目指すのは “世界一のクラブチーム” です」と、力強く言い切る松岡総監督。

「ひとりでも多くの選手に世界の舞台で活躍してもらう。そこに至るまでの過程の中で、ひとつひとつ課題を克服して行けるよう手助けをしていきたい。強さも求めていかねばなりませんが、少年少女の柔道家が憧れる、目標とされるような人間性豊かな選手が所属するチームにしたいと思っています」と、心技体全てに秀でたチームを目指します。

理想のチームを目指すに理想となる組織が、コマツという会社だと続ける松岡総監督。

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パリ五輪代表の髙市主将と組む新人の込山未菜選手に松岡総監督がアドバイス-Journal-ONE撮影

「コマツの応援態勢は世界一だと思っています。応援しに来ていただける人数もそうですが、素晴らしい颯志道場の様な施設を作っていただき、日々こういった環境で柔道ができることに感謝をして活動をしていきたいですね」と、会社への感謝を忘れません。

会社の皆さんと共に歩んで

「他の会社を見たことはありませんが、率直に言ってコマツは本当に良い会社です。社内で女子柔道部が浸透していない黎明期から少しずつ応援してくれる社員も増え、応援団も作っていただきました」と、松岡総監督が懐かしそうに振り返ります。

「強くなるため、お願いをしなければならないことが出てくるのですが、それを会社はほぼ全て聞き入れてくれました。そのおかげで、アテネオリンピックで谷本 歩実選手が金メダルを取って、更に応援も支援も増えてきましたね。谷本選手はコマツに入って伸びました。アテネも北京も激しい体表争いを勝ち抜いて、圧倒的な爆発力を見せてくれました。本番にバチッとハマりましたね。コマツ女子柔道部の明るいチームカラーを象徴するような試合を見せてくれました」と、社員とチームが一体となったオリンピックでのターニングポイントを教えてくれました。

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