「同じチームにいた堀選手が、九州でチームを立ち上げたことで、僕も九州(熊本県出身)でプレーしたいと思い。2018年にハリケーンズから移籍したのです」と、Fukuoka DANDELIONで活動することになった経緯も教えてくれました乗松選手。
「地元・九州にチームを構えることで、どんどん選手やスタッフが増えたのは嬉しいですね。創設当時は毎週参加するメンバーが4人とかで・・・ 試合などできる状況ではありませんでしたからね」と、タレント揃いのFukuoka DANDELIONからは想像できない創設時の思い出を振り返っていました。
ダンデのみんなと一緒に戦うパリ2024
パリ2024への思いについては、「ダンデには、私を含めて何人かの選手やスタッフが日本代表候補となっています。ダンデの活動と日本代表の活動、そして今夏のパリパラは全て繋がっているので、本当は全員でパリに乗り込んで戦いたいです」と話す乗松選手。
「でも、現実的にそれは難しいことなので、みんなの思いを力に必ず結果を出して帰ってきます」と、悲願の金メダル獲得を誓ってくれました。
豊富なスタミナとスピードを活かして、パリ2024の代表権を獲得した “アジア・オセアニア チャンピオンシップ” で見せてくれた活躍を期待していると話すと、乗松選手は「自分の能力などまだまだです!」と、びっくりする答えを返してきます。
「同じ代表候補のローポインターで言えば、草場のアジリティ、小川(仁士選手・BLITZ)のパスレンジは本当に凄いと思います。自分も彼らと同じレベルにならないと、今後は使ってもらえないだろうという危機感を常に持っています」と、残り一ヶ月余りでまだまだ成長していく向上心をみせる乗松選手です。
「これまで、自分がどういう選手になりたいかと考えたことはないのです。常にがむしゃらにやってきたら、今に至ったという感じです(笑)」と、笑顔で自身の車いすラグビー人生を振り返ります。
「ダンデのみんなは、優しくて真面目。自分も深く考えすぎてしまう性格なのですが、真面目こそが結果に繋がる最も大事なことだと信じて取り組んでいます」と、パリパラ2024での金メダル獲得、そして日本選手権大会での優勝をチーム一丸全力で獲りに行くと話し、再び激しい練習へと向かっていきました。
初のパラリンピックに挑む草場 龍治選手
「ポーカーフェイスでスピード感満点のプレーを連発する選手」Journal-ONE編集部が抱く選手像は、#20 草場 龍治選手(Class1.0)のこと。
ハイポインターの素早いオフェンスを、クラス1.0のローポインターとは思えない世界トップクラスのスピードでシャットアウトする姿は、ここ最近の国際大会でもファンから注目される存在なのです。
しかし、当の草場選手は「毎回、代表合宿に参加させてもらっています。日本代表で活躍している選手たちとプレーする度に、先輩方の指導を受ける度に自分はまだまだだなと思います。世界大会も4度参加させてもらっていますが、大会に臨む度に『これでは駄目だ。もっとできる』って・・・」と、現状に甘んじる様子は微塵もありません。
10月にパリで開催された “International Wheelchair Rugby Cup Paris 2023” で、初戦のスターティングラインナップに起用した岸 光太郎ヘッドコーチも、成長著しい草場選手に期待を寄せているはず。ここまで急成長する理由はどこにあるのでしょうか?