トップリーグで新風を起こす
日本女子ソフトボールのトップリーグ “Japan Diamond Softball League(以下、JDリーグ)” が、4月15日に開幕しました。
記憶に新しい感動の東京オリンピックで、金メダルを獲得したアスリートを始め、強豪国の代表選手も参加し、全16チームが鎬を削るJDリーグは、2シーズン目の今年はさらなる盛り上がりを見せています。
地域の皆さんやファンとの交流を大切にしながら、明るく溌剌としたプレーが魅力の “伊予銀行VERTZ(以下、ヴェールズ)” は、新監督を迎えて更なる飛躍を誓います。
昨年、西地区5位だったヴェールズですが、西地区最多盗塁賞に輝いた松瀬 清夏選手や、ベストナインの川口 茉菜選手、辻井 美波選手などを擁する潜在力の高いチーム。
今年は更なるチーム強化の一環として、監督に男子ソフトボール界で活躍した石村 寛氏を招請し、強豪ひしめく西地区での優勝を目指します。
天候不良で中止となったこの日、Journal-ONEはヴェールズの石村 寛監督を独占取材!
監督の素顔に迫りつつ、今シーズンの展望を教えていただきました。
男子ソフトも世界トップレベル!
オリンピックの金メダル獲得を見て、日本の女子ソフトボールのレベルは世界でもトップレベルにあることが分かりますが、実は男子ソフトボールも世界最高峰レベルなんです。
WBSC(World Baseball Softball Confederation)が定める世界ランキングで、2021年末までは首位。最新ランキングでもアルゼンチン、カナダに次ぐ3位と、その高いレベルを維持し続けています。
石村監督は、男子ソフトボール界を牽引してきたトップアスリート!
世界男子ソフトボール大会に2度出場。2009年は主将としてチームを牽引してきたキャプテンシーを活かして、指導者としても昨年まで、ヘッドコーチとしてU-23(23歳以下)男子日本代表を率いていた “世界を知る監督” なんです。
「私の地元・愛姫県にあるヴェールズに誘っていただき、本当にご縁を感じています。」と柔らかな笑みを見せながら話す石村監督。
シオノギレインボーストークスの雨天練習場で調整の最中でしたが、色々とお話を聞かせていただきました。
女子ソフトボールは日々勉強
シーズンオフから携わることになった女子ソフトボール。やはり男子と女子での違いはあるのでしょうか。
「オフシーズンに選手たちと一緒に取り組む中で、その違いをひとつひとつ確認していく作業をして来ました。例えば、ノックをするときに男子でやっていたようにガンガン打っていたら、“監督!そんなに強い打球は、女子ではないです・・・” と言われたり(笑)」と、面白いエピソードを挙げて教えてくれます。
「戦術も基本的には同じなのですが、強く振り抜く男子のバッティングに対し、女子ではミート中心のバッティングが試合の様々な局面で使われることの多いこともわかりました。ただ、力強く振り抜ける選手が多いヴェールズなので、そこら辺は男子のエッセンスも加えて強く振り切ることも意識して取り組んでいます。」
なるほど、ハイブリットな指導でチーム力の更なる向上も行っているのですね!
「佐野コーチ(昨年までDENSOブライトペガサスで活躍した、佐野由貴美コーチ)をはじめ、安川主将や選手たちと常に対話しながら最善の策を採ってきました。」
何でも話せる明るい選手たちの特長を活かし、選手たちに溶け込んでのチーム強化だったと話す石村監督。
「就任が決まって早々、男子リーグでお世話になった永吉 慎一監督(豊田自動織機シャイニングべガ)からお電話をいただいて、色々とお話を伺わせていただきました。また、同じく今年から指揮を執る松田 光監督(シオノギ レインボーストークス兵庫)、加藤 一秀監督(ホンダ リヴェルタ)ともオープン戦でお会いして情報交換する機会がありました。」と、男子ソフトボール界で活躍した皆さんとの交流も行い、監督自身も日々勉強されていると言ったところでしょうか。
試合を重ねて勝ちパターンが見えてきた
昨年に比べ、オープン戦の試合数が激増したヴェールズですが、その狙いと効果について尋ねると、「選手個々の特長を再認識し、新戦力の選手を試す中で、勝ちパターンが見えるようになってきました。」と石村監督。
「攻撃面では、昨年盗塁王に輝いた松瀬 清夏選手に、大学日本代表にも選ばれた齋藤 明日加選手が加わりました。松瀬選手のスタートの良さには及びませんが、齋藤選手のスピードはピカイチです。この二人の1・2番コンビが得点力アップに貢献してくれるでしょう。」と、チャンスメイクの新パターンに手応えを感じているとのこと。
「主軸を打つ居内 佑加選手の長打力は男子にも負けない力があります。今シーズンの居内選手は、強く振るというチームの攻撃方針の下で本塁打も結構打ってくれると思います。」