ここまでの日本代表戦、オールブラックスXV(秩父宮)、サモア代表(札幌)、トンガ代表(花園)そしてフィジー代表(秩父宮)とオセアニア4ヶ国のウォークライを観てきましたが、各国それぞれに呼び名や舞いに違いがあることが分かりました。
ニュージーランド:ハカ
サモア:シバタウ
トンガ:シピタウ
フィジー:シピ
ラグビーワールドカップ2023では、日本代表の試合はもちろんですが、Cultural challenges(文化的チャレンジ)に注目することもラグビー観戦を楽しむコツかもしれませんね。
札幌の悪夢再び・・・-前半
日本のキックオフで大歓声が湧き起こりましたが、この日キックオフを蹴ったのは WTB(ウイング)の#14セミシ・マシレワ(Semisi MASIREWA)選手[花園近鉄ライナーズ]でした。
これまでの強化試合は、日本が誇る正確無比なキック力を持つSO(スタンドオフ)の李 承信選手[コベルコ神戸スティーラーズ]、松田 力也選手[埼玉パナソニックワイルドナイツ]が蹴っていましたが、前週のトンガ代表戦でその成功率に陰りの見えるSO陣の披露を考慮した作戦かもしれません。
キックオフ直後から勢いよく敵陣でアタックを続ける日本代表。試合早々からモメンタムを獲得しようとオフェンスのフェーズを重ねます。が、またもや大事なところでノックオンとなり、攻撃の勢いが途切れます。
すると4分、ターンオーバーからフィジー代表がカウンター!フランスのトップ14でプレーする、CTBのワイセア・ナヤザレヴ(Waisea Nayacalevu)選手が抜け出して40m余りを独走して中央にあっという間のトライ。同じくフランスのトップ14でプレーする、SO ベン・ヴォラヴォラ(Ben Volavola)選手のG(コンバージョンゴール)も決まって0-7と思いがけない先制点を許す形になりました。
直ぐに反撃したい日本代表は敵陣10m付近で、フィジー代表のボールを奪いに行きます。ボールを持つCTBのヴィリモニ・ボティトゥ(Vilimoni BOTITU)選手は、東京2020・7人制ラグビーの金メダリスト!豊富な運動量とスピードが自慢の選手です。
先ほどナヤザレヴ選手の抜け出しを許した日本代表は、ここで抜かれるわけにはいきません。しかし、2人のタックルを回避し、方向を少し変えた目の前にいたのは、先ほどの “オレンジアーミー” のファンがその活躍を心待ちにしていたFL(フランカー)ラピース選手!
接触した瞬間、記者席からは「あぁ~」というため息が漏れます。7月22日に札幌で観た “あの光景” を思い起こしたのです。あの光景とは、サモア代表戦の前半30分… No8リーチ・マイケル選手[東芝ブレイブルーパス東京]がハイタックルで受けた代表戦初となるレッドカードの一発退場のシーンです。
TMOでコンタクトの瞬間がスローで流される中、会場内からも同じため息ともうめきとも取れる「あぁ~」という声が漏れる中、審判から差し出されたカードはやはりレッドカード。会場に詰めかけた22,137人にどよめきが広がる中、厳しい表情でピッチを去るラピース選手。スクリーンにはスタンドで観戦するリーチ選手がアップで映し出されるなど、残り60分以上を14人で戦わなければならい “やるせない” 雰囲気に包まれます。
今夏の強化試合、日本代表は全体的にハンドリングでのミスが目立ちます。それを知ってか、フィジー代表は盛んにキック攻撃を多用し、ディフェンスの裏を狙ってきます。「弱点を徹底的に突いてくる。」と浦安合宿で、稲垣 啓太選手[埼玉パナソニックワイルドナイツ]が、世界の強豪国の戦いを分析していたとおりの展開となります。
すると18分の自陣5m付近での厳しいディフェンスが続く中、スクラムを崩され、体勢を立て直す間もなくアタックを続けたれる日本は、PR(プロップ)のエロニ・マウィ(Eroni Mawi)選手にトライを許します。Gも決まって0-14。
諦めない日本代表は、CTBの長田 智希選手[埼玉パナソニックワイルドナイツ]、マシレワ選手を使って右サイドを突っ込んで活路を見いだそうとします。FB(フルバック)の松島幸太朗選手[東京サントリーサンゴリアス]も個人技で相手ディフェンスを翻弄しようと必死のオフェンス!何とか陣地を回復してワントライ早く返したいところ。
22分には、このシリーズ大活躍のLO(ロック)のアマト・ファカタヴァ(Amato FAKATAVA)選手[リコーブラックラムズ東京]が右足を痛めて負傷交代してしまいます。入ったのは、代表戦初登場の代表候補・下川 甲嗣選手[東京サントリーサンゴリアス]。
相手バックス陣の個人技に度々突破を許す日本代表。自陣までボールを運ばれるものの、紙一重でディフェンス!フィジー代表のノックオンを誘ってボールを奪いますが、得意のアタックでなかなか前に進むことができません。ならば!と、SH(スクラムハーフ)齋藤 直人選手[東京サントリーサンゴリアス]の素早いパス配球からの展開も見せますが、最後の最後でノックオンしてしまうなど波に乗ることができません。