「(代表選出については)選ばれて “遂に来たか! やってやるぞ!“ という心境です。初めての海外遠征ですので、雰囲気に呑まれることは想定しています。そうなったときに、自分自身のモメンタムが落ちないよう、ダンデでやっていることを思い出して確りとそのプレーができるようにしたいです。チームメイトである乗松選手と草場選手が一緒ですので、心強いですしね。」と決意を話してくれました。
今年特に取り組んだ課題は “こぎ幅の修正”。「1回の手の動きで車いすの進む距離が出るように。何度も手を回してこがなくて済むように、フォーム改善を徹底的にやりました。代表合宿でも動画を撮ってもらって繰り返し確認しました。こぎ幅が増えることでスピードも出ますし、体力の消耗も抑えることができます。この大会ではその成果が出たと思います。IWRC2023では、アメリカのローポインター選手のアジリティ(俊敏さ)も実際にこの目で見て、更に速さを追求していきます。」と、進化への貪欲な姿勢を見せる安藤選手です。
「5月末に退職した草場選手を応援しに来ました!」と話すのは、NTTビジネスソリューションズで共に働いていた同僚の皆さん! 手作りの応援うちわを持ち、#20 草場 龍治選手の活躍に大きな拍手を送っています。「草場選手は真面目で大人しく、研修やダイバーシティの業務を淡々とこなしていました。でも、夢であるパラリンピックへの出場を目指して車いすラグビーに専念するために退職したんです。私たちは、草場選手の夢を応援しています。」
安藤選手と共にIWRC2023に選出されている草場選手は現在、三建設備工業のアスリート雇用社員として車いすラグビーに情熱を注いでいますが、5月まではフルタイムで会社員として働きながら、日本代表に選出されるまでの技術や体力を身に付けてきた選手なのです!
ローポインター選手(持ち点1.0)である草場選手ですが、アジリティとフィジカルはミドルポインター(持ち点2.0~2.5)選手にも勝るとも劣りません。今大会屈指の点取り屋・日本代表主将の池選手(Freedom)にも果敢にマッチアップする場面では、会場からは一際大きな歓声が起こっていました。
元職場の皆さんが見せてくれた激励のプレゼントの ”卒アル” には、入社したての初々しい草場選手の顔写真が入った社員証や、職場で働くスナップ、退職の日に並んで撮影した記念写真がいっぱい! 草場選手の素顔がとても良く分かる微笑ましい手作りアルバムです。今回、中身をご紹介することは出来ませんので、草場選手のInstagramで紹介されることを楽しみにしましょうね。
この大会を2勝2敗で終えたFukuoka DANDELIONですが、安藤選手、草場選手、乗松選手をはじめとするローポンター、ミドルポインターの動きの速さには目を見張るものがありました。コートにいる4人のメンバー中、No3、No4といわれるローポインター同士でのマッチアップは勿論、No1である攻守の要・ハイポインターの動きを止めたり、パスコースを塞いだりする献身的なプレーは、日本のクラブチームの中でもトップクラス。「ハイポインターだけでなく、ローポインターの動きに注目して見て下さい! 連携ラグビーの面白さを知ってもらえると思います。そして、日本一元気なラグビーが特長のダンデを応援しに来場して欲しいです。」と、チームの見どころを教えてくれたのは安藤選手。
10月のIWRC2023で得た様々な経験により、更に進化したFukuoka DANDELIONが日本選手権で旋風を巻き起こすか!? その活躍に注目してみるのも、パリ・パラリンピックに向けたひとつの楽しみですので、Fukuoka DANDELIONを観に練習や、大会に足を運んでは如何でしょうか。
チームの目標へ着実に進む – RIZE CHIBA
「RIZEは派手なプレーが出来る選手はいません。ですから、ボールを持っているハイポインターの選手と、しっかりとボールを運ぶ道を作るローポンターの選手。それぞれが献身的なプレーをどんな状況でもできるようにすることが目標なのです。」と話すのは、リオ・パラリンピック、東京2020銅メダリストの#9 今井 友明選手です。
ひとつひとつ課題を共有して試合で試す。スポーツは勝敗ばかりに目が行きがちですが、こういったアプローチで自己を高め、試合を楽しもうとする姿勢が観ている私たちにも伝わってくるのがRIZE CHIBAのラグビー。
Freedomとの緒戦に6-1とリードした場面を振り返った今井選手は、「ボールを止める動きだとが、パスをさせて相手のウィークポイントの選手にボールを持たせ、そこで勝負を仕掛けるという連携がよくできたと思います。」と、目標をクリアできたことを笑顔で振り返ります。
「(Freedom戦は)胸を借りるつもりで戦いました。強いチームに自分たちがやりたいゲームができたことが大きいです。試合ごと、相手ごとに課題をチームで話し合って試していくのがRIZEのラグビーです。Fukuoka DANDELIONとは良い勝負ができると思っていたのですが、想像以上に相手のフィジカルが強く、やられてしまいましたね。千葉在住と北海道在住の選手が在籍するRIZEでは、コミュニケーションがなかなか取れず、チームプレーの練習ができないため、試合中での修正力を磨きたい。」と話すのは、キャプテンの#11 日向 顕寛選手です。