千葉県松戸市でハンドサイクル試乗会| 車いすラグビー日本代表の中町俊耶選手(TOHOKU STORMERS)と今井友明選手(RIZE CHIBA)が幼稚園の女の子と笑顔の交流-Journal-ONE撮影
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競輪場を疾走するレア体験

世界中で “KEIRIN” の名前で楽しまれている競輪ですが、その競技場に足を踏み入れた人は意外に少ないかもしれません。ましてや、猛スピードで選手たちが疾走するレース専用の滑走路(バンク)を走ることが出来るなど滅多にできない体験です。

千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベント-Journal-ONE撮影

そのレア体験ができるイベントが文化の日に開催されると聞き、Journal-ONE編集部が向かったのは千葉県松戸市にある松戸競輪場。全国43(2022年11月現在)ある競輪場の中でも周長距離333メートル、見なし直線38.2メートルと直線の短かさが特長の競輪場。それ故、カント(傾斜)が浅いといわれているのですが、実際に歩くととんでもない傾斜であることが分かります!

そんな競輪場のバンクを使って一体何をするのでしょうか? 「今回は、同じ自転車でも “ハンドサイクル” を使った走行会&試乗会なんです。競輪とオートレースの補助事業(JKA Social Action)として企画したことで、競輪場という特別な場所で開催することができました。」と話すのは三阪 洋行さん。車いすラグビーの選手、コーチとしてパラリンピックに出場経験のある三阪さんは、現在も車いすラグビーチーム・TOHOKU STORMERSで活躍! その模様を取材させていただいたご縁で、今回のイベントも取材させていただいたのです。千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベントを主催した三阪洋之氏(TOHOKU STORMERS)-Journal-ONE撮影

一般社団法人D BEYOND代表理事としての顔も持つ三阪さん、「このイベントは、今年度中に3回開催を予定していて、今日が記念すべき第1回目なんです。参加者は車いすユーザーの方がメインとなりますが、見学やボランティアとして参加していただいている方も来ています。良い天気に恵まれたので良かったです。」と、集まった体験者の皆さんを見ながら笑顔で話します。

地元のパラリンピアンも一緒に体験

冒頭の開会挨拶に、良く知ったアスリートが競輪選手の着用するヘルメットを被ってご挨拶をしています。羽賀 理之(まさゆき)選手は、車いすラグビー日本代表の副主将として東京2020での銅メダル獲得に貢献した地元・松戸市が誇るパラリンピアンなのです。

昨年、同じ松戸市で開催された “東京2020レガシーイベント” でお会いして以降、羽賀選手が所属する車いすラグビーチーム “AXE” の密着取材や。日本選手権などを取材していたJournal-ONEは、来年開催されるパラリンピック・パリ大会(以下、パリパラ2024)の出場権を見事に獲得した国際大会 “三井不動産 2023ワールド車いすラグビー アジア・オセアニア チャンピオンシップ(以下、AOC)” での活躍もレポートしてきました。千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベントを主催した三阪洋之氏(TOHOKU STORMERS)-Journal-ONE撮影

「今日は本当に良い天気に恵まれました。競輪場という珍しい会場で皆さん怪我なく楽しみましょう!」という大会宣言に続き、それぞれが走行体験の準備に入ります。

各競技のアスリートたちが笑顔で

「こう言った貴重な体験ができるイベントは、子どもたちにどんどん体験させたいですね。」と笑顔で話してくれたのは、野島 弘さんです。西東京市から駆けつけた野島さんは、1998年のパラリンピック・長野大会等でアルペンスキー日本代表として活躍したパラリンピアン! 現在は、障がい者ゴルフ競技のアスリートとして活躍する一方、子どもたちに色々な障がい者スポーツを通して障がいのある子どもたちの自立を応援しているのです。千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベントに参加した1998年のパラリンピック・長野大会等でアルペンスキー日本代表として活躍したパラリンピアン・野島 弘さん-Journal-ONE撮影

「こういったイベントで色々なスポーツに触れることで、自身の競技適性や好みを探していくことはもちろんなのですが、多くの人たちと交流することで積極的に社会に出て行くことを学んでもらいたいのです。」と話す野島さんは、明るい笑顔で参加者ひとりひとりに積極的に話しかけています。

「こうやって自分が出て行くことで健常者の方にも、もっと私たちのスポーツをする姿を見ていただきたい。障がい者スポーツをもっと知っていただくことで、障がい者スポーツが決して特別な対応が要らないスポーツであることを知ってもらいたいのです。」と話す野島さん。Journal-ONEも様々な障がい者スポーツを取材する中で、施設利用や協力を制限する場面に出くわすことがしばしばあります。こういった活動がもっと知られることで、“知らないことを敬遠する日本特有の考え方” が少しでも払拭されると良いと改めて感じさせられます。千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベント-Journal-ONE撮影

「山梨県から来ました! Facebookでたまたまイベントを知って面白そうだなぁと思って。」と、既に何周もバンクを疾走して爽快な汗を拭いながら話す女性は、岸本 愛加さん。ハンドサイクルを漕ぐ力強いパフォーマンスに驚きましたが、岸本さんも女性チェアスキーヤーなんです!千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベントに参加したパラアスリートの岸本 愛加さんはチェアスキーからパラサーフィンへの転向を発表-Journal-ONE撮影

千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベントに参加したパラアスリートの岸本 愛加さんはチェアスキーからパラサーフィンへの転向を発表-Journal-ONE撮影

パリパラ2024向けてトレーニング!?

バンクを颯爽と駆け抜けていくハンドサイクルは、少し形が変わっています。これは、ハンドサイクル競技でトップアスリートが愛用する “カーボンバイク”。ランボルギーニやフェラーリといった、スーパーカーを彷彿させるそのフォルムとスピード感は間近で見ると迫力があります。千葉県松戸競輪場でハンドサイクル試乗会| 地元出身の車いすラグビー日本代表の羽賀理之選手(AXE)等が一般の障がい者やパラアスリート達と交流したイベント-Journal-ONE撮影

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