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講道館杯全日本柔道体重別選手権大会|女子48Kg級決勝 東海大学の近藤 美月が先輩の吉岡洸を下し優勝-Journal-ONE撮影
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実際に試合が始まると、その想像通りの試合展開となるのですが、驚くのは5つの試合場で一斉に試合が行われること。記者席に座る私たち報道陣から見えるのは縦に4つ並んだ試合場だけ。しかも同時並行で選手たちが烈しく動くので、どこに注目して取材をして良いのか分かりません。

しかも、柔道の試合時間は男女共に僅か4分間。その間に決着しなければ、ゴールデンスコア方式による時間無制限の延長戦を行い、どちらかの選手が “一本” ”技あり” あるいは “反則負け” となった時点で勝敗が決まるというスピーディな展開です。柔道大会初観戦となった私たちが、どの選手がどの会場で戦っているのかをトーナメント表で確認している間に試合が進んでいってしまうのです! 講道館杯全日本柔道体重別選手権大会|会場となった千葉県千葉市の千葉ポートアリーナメインアリーナ天井のモニタに次々と試合の結果が更新される-Journal-ONE撮影

各試合場で戦う選手たちを応援するチームメンバー、次々と出入りする選手と監督、数試合で入れ替わる審判の皆さん。そのテキパキとした動きにも目が奪われる私たち。生の試合観戦をして初めて知る柔道の面白さがありました。

また、観客席の応援団にも注目です。数人で観戦しているファンだけでなく実業団チームの100人を超える大応援団も次々に登場する所属選手の応援に大忙しなのです。

強豪選手が多く所属する、コマツ、JR東日本、ヤックスといった企業の皆さんの応援は圧巻。5つの試合場でバラバラに登場する選手に「行け行け!!」「押せ押せ!!」と会場中に響き渡る大歓声が送られます。講道館杯全日本柔道体重別選手権大会|会場となった千葉県千葉市の千葉ポートアリーナメインアリーナでは応援団が忙しく声を出す(JR東日本の応援団)-Journal-ONE撮影

トーナメントが進むと、勝ち残った複数の所属選手が複数の試合場で一斉に試合を行う場面が出てきます。すると、それぞれの試合展開の盛り上がりや勝負所に合わせて、選手の名前を何度も入れ替えて声援を送るのです。この様な応援は他のスポーツでは観る機会が無い私たちにとってはとても新鮮な体験となりました。

柔道普及と選手強化が融合

以前、講道館・上村館長へのインタビューで「柔道の普及は講道館、競技の強化は全日本柔道連盟」とそれぞれの役割を教えてもらったJournal-ONE編集部。この大会はトップアスリートが集い日本一を決める競技柔道の大会。それなのに、柔道の普及を役割とする講道館の名前を冠しているのはどうしてなのでしょう?

すると、会場に来ていた講道館国際部の仮屋力さん(六段)が、「国内外の大会に講道館職員が役員や審判員として派遣されたり、IJF(国際柔道連盟)からの依頼で決まり技の判定をしたりと私たちも競技柔道にも携わっています。ですが、競技柔道の大会を主催・運営することは無いので、この大会に講道館の名前が付いているのは不思議に思いますよね。」と笑顔で私たちの疑問に同調してくれます。柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、体験取材を提案していただいた仮屋力先生は六段の紅白帯を締める(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

「それについて詳しく説明してくれる人を紹介しましょう!」と言って紹介してくれたのは、講道館審議部の次長・山本 三四郎さん(七段)です。

「この大会の各階級の優勝者には、講道館から特別に段位の授与が行われます。世界選手権やオリンピックなどの優勝者に与えられる特別昇段とは少し違いますが、三段以下の選手を対象に、段位についての意識付けをしようと始まった取り組みです。」と、講道館の本大会への関与の理由を話してくれる山本さん。

「一定の条件を満たすと試験資格が生まれる昇段試験なのですが、競技柔道をしている若い人たちの段位が、本来あるべき姿よりも低いのです。」と言われ、出場選手のプログラムを見ると書かれた段位は確かに。日本一を目指す大会に参加するトップアスリートでも二段や三段といった段位が並んでいます。

「昇段試験に必要なを覚える時間が練習に割かれていることや、黒帯を取ったらもう段位の目的は達したと思ってしまう意識があるのがこの理由なのかもしれません。」と話す山本さん。「競技大会の順位は選手としての価値観ですが、段位は柔道家としての価値観。若い人たちに2つの価値観をバランス良く持って柔道に取り組んでもらえるようになれば。」と、思いを教えてくれました。

コロナ禍の反動もあり昇段試験受験者自体は増えたものの、約3/4が初段受験、それ以降の段を全て合わせても1/4しか受験されていないとのこと。

柔道家としての知識や知恵への探求心が芽生えるに年齢は関係ありません。講道館の取材で60歳でも70歳でも昇段試験を受けようとする柔道家の皆さんの話を聞いたJournal-ONEからすれば、こういった事実は少し意外に感じました。

講道館杯の楽しみ方を伝授!

「各階級で選ばれし者たちが、この大会を契機に世界へ羽ばたいていく。パリ2024の次を目指す戦いとしても興味深い大会です。一方で、今の地位を守ろうとする中堅も多く出場しています。運も味方につけて誰が勝つのかを見るのは面白いですよ。」と仮屋さんが大会を楽しむコツを教えてくれます。

昨年までは本大会の審判として参加しており今年に審判員としての定年を迎え、この大会を関係者席で観ていた講道館国際部長の小志田 憲一(七段)さんも、「私は何となく全ての試合場を俯瞰して観ながら、時にはずらりと並んだ審判の判定を見ることもあれば、これは?と思った試合に見入ることもあります。会場の雰囲気も含めて、楽しんでもらえたら。」と笑顔でコツを伝授してくれました。昨年まで講道館杯の審判をしていた講道館国際部長の小志田 憲一七段-Journal-ONE撮影

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