1回戦から登場した日本人選手は、ここまで男女8階級で11人。男子では60kg級の髙藤選手、中村 大樹選手(国士館大)、樋口 裕大選手(大阪府警)、66kg級の福田 大和選手(東海大)、100kg級のウルフ選手、飯田 健太郎選手(国士館大)、植岡 虎太郎選手(日本製鉄)、新井 道大選手(東海大)のうち、樋口選手を除く7選手が。 女子は48kg級の宮木 果乃選手(日大)、52kg級の神谷 鈴選手(龍谷大)、63kg級の山口選手のうち、神谷選手を除く2選手が1回戦を突破するまずまずの滑り出しとなった日本選手団でした。
シード選手の登場に会場が盛り上がる -2回戦
試合開始から1時間半を超えた会場はいよいよ2回戦へと突入。1回戦シードされた選手たちが登場し、いよいよその戦いも白熱したものとなってきます。
先ずはこの日2試合目として登場した選手は、100kg級の飯田選手です。モンゴルのBATKHUYAG Gonchigsuren(バットフヤグ・ゴンチグスレン)選手との対戦はゴールデンスコアにもつれ込み、延長突入早々にゴンチグスレンが支釣込足で一本。飯田選手のパリ五輪への道は厳しい結果となりました。
女子63kg級で代表を狙う髙市 未来選手(コマツ)が登場しました! フィリピンの渡辺 聖未選手との対戦では、コマツの大応援団から「行け行け、髙市‼」と声援が飛びます。この大声援を受けた髙市選手は開始わずか30秒、横四方固で一本を取って幸先の良いスタートを切りました。
注目の男子60kg級の2回戦も、髙藤選手が小外掛で勝ち抜けると、中村選手も大内返、2回戦から登場した永山 竜樹選手(SBC湘南美容クリニック)は腕挫十字固と、それぞれ一本勝ちで3回戦へ進んでいきます。
女子78kg級で登場したのは、東京2020金メダリストで2大会連続金メダルを目指す濵田 尚里選手(自衛隊体育学校)です。フランスのPOSVITE Fanny Estelle(ファニー=エステル・ポスビト)選手にあわや一本かという投げを受けて、なんとか技ありで逃れた濵田選手。それでも五輪金メダリストは慌てず落ち着いた試合運びを見せ、大逆転の小外掛で一本! 髙山 莉加(三井住友海上火災保険)選手も横四方固、1回戦から勝ち上がった梅木 真美選手(ALSOK)もALSOK応援団から大きな声援を受けて合せ技の一本。杉村 美寿希選手(東海大)も内股で技ありと順調に準々決勝に駒を進めていきました。
明暗が分かれ始める -3回戦/準々決勝
国内外問わず、参加選手のエンジンが本格的に掛ってきた大会中盤。当日のコンディション、トーナメントの運不運など、様々な状況が入り交じる中で明暗が分かれ始めます。
男子100kg級では植岡選手が3回戦で敗退。ウルフ選手は韓国のKIM Sehon(キム・セホン)選手に攻めの姿勢を続けて合せ技一本。新井選手も内股で一本と続き、準々決勝へ進出します。
女子63kg級の3回戦も準々決勝をかけた戦いに入ります。髙木 水月選手(明治国際医療大)、髙市選手、山口選手、堀川 恵選手(パーク24)が次々登場して一本! 順調に勝ち進みました。
男子60kg級では髙藤選手が3回戦で韓国のLEE Harim選手(イ・ハリム)にやや苦戦。互いに指導1つを受けゴールデンスコアへ進みます。延長1分を越え相手に指導2つ目が出るものの、なかなか組みにいかないイ選手に対し、「直さんここからだぞ!」「いけいけ髙藤! 押せ押せ髙藤!」と大応援団も必死の声援を送ります。延長3分を超えてもスタミナ十分に見える髙藤選手は3分44秒、ついにイ選手が消極的な姿勢で指導3つ。反則勝ちで準々決勝進出を決めました。
男子100kg級はいよいよ準々決勝へ! 新井選手がオランダのKORREL Michael(マイケル・コレル)選手と対戦します。立ち上がりに幸先よく隅落の技ありで先制し、リードを守ったままベスト4へ進みました。この新井選手と準決勝で戦うのは、ウルフ選手か? それともイタリアのPIRELLI Gennaro(ジェンナーロ・ピレッリ)選手か? ここまで3分を超える激戦を制してきたウルフ選手でしたが、試合開始1分で消極的な姿勢で指導を受けてしまいます。疲れがあるのか?と心配される防戦が続きます。
この時、5つの試合場ではウルフ選手に加え、女子78kg級の梅木選手、男子60kg級の中村選手、更には女子52kg級の阿部 詩選手までが一気に畳に上がり “役者が勢揃い” します! どの試合も熱戦となる中、会場の至る所からエールや拍手が巻き起こります。選手と観客が一体となって会場内のボルテージを上げていく、この国際大会の雰囲気を肌で感じることも柔道競技観戦の魅力です。
梅木選手、中村選手、阿部 詩選手が勝って試合を終える中。ウルフ選手は試合時間4分で決着が付かずにゴールデンスコアへ突入します。更に別の試合場で女子47kg級の角田選手が “瞬殺劇場” の腕挫十字固で勝ち進む中、ウルフ選手の試合時間は延長1分30秒を超えていきます。