残り3分41秒となった敵陣36ヤードからの攻撃でインパルスは、K佐伯選手がFGトライに切り替えて成功。10-10の同点に追いつきました!
運命のファイナルQは・・・
いよいよ運命のファイナルQが始まります。ファーストダウンで後退したフロンティアーズは、セカンドダウンでRBニクソン選手が持ち込み敵陣21ヤードまで挽回します。
サードダウンは残り6ヤードのゲインが必要なフロンティアーズがビッグプレーを見せました! QB高木選手からボールを受けたWRグラント選手が右へ走りながら、エンドゾーンに向けてQBのような鋭いランニングスローです!
走り込むのはWR木村選手、インパルスもディフェンスが2枚付いてこのパスを阻止しようと走ります。しかし、やや右へ流れるように投げたグラント選手のボールはインパルスディフェンス陣の反対側に向かって飛んでいき、木村選手の両腕にしっかりと収まるタッチダウンパス! 16-10と勝ち越しに成功しました。
しかし、全く闘志の衰えないインパルスは、直後のFGトライでキックをブロック‼タッチダウン&FGで逆転可能な6点差に食い止め、逆転を目指した攻撃に移ります。
自陣25ヤードからのファーストダウン。QB荒木選手が放ったロングパスを、TEダックス・レイモンド(Dax Raymond)選手が好捕して一気に敵陣23ヤードまで進むと、続くシリーズではショットガンフォーメーションとランで更に敵陣12ヤードまで詰め、今度はインパルスがタッチダウンのチャンスを作りました。
フロンティアーズの反則(オフサイド)で敵陣8ヤードまで迫ってのファーストダウンでしたが、セカンドダウン、サードダウンと距離を詰めることができず、フォースダウンで残り7ヤードを迎えたインパルス。ギャンブルでタッチダウンを狙うか?FGで3点を確保するのか?タイムアウトで選択の結果を待つ両チーム応援団は、この試合最大のハイライトを迎えてボルテージは最高潮に達します。
タイムアウトが明け、インパルスの攻撃フォーメーションはギャンブル! スタンドからは更に大きな歓声が沸き起こりました。
QB荒木選手がパスを投げる! その瞬間にパスをはたき落としたのは、フロンティアーズのDB林 奎佑選手。林選手の雄叫びとフロンティアーズ応援団の大歓声と共に、攻撃権はフロンティアーズに移りました。
自陣7ヤードからと距離のあるオフェンスですが、フロンティアーズはランを中心に落ち着いて時計を進めるオフェンスを展開します。じっくりと2つのシリーズで時間を使い、ハーフライン付近からのフォースダウンをパントフォーメーションとしたフロンティアーズ。更にこのパントへの対応でも素晴らしい動きを見せます。
パントをどこまでゲイン出来るか?高く上がったボールを受けたインパルスでしたが、その場でフロンティアーズのWR糸川 創平選手が素晴らしいタックル! 敵陣43ヤードまで押し戻してインパルスに攻撃権を渡しました。
試合終了時間が迫る中、フロンティアーズの素晴らしいディフェンスに殆どゲインできないインパルス。一度もシリーズを更新することなく、パントフォーメーションでフロンティアーズに攻撃権が移ります。
自陣20ヤードからのフロンティアーズの攻撃は、残り時間5分を切っての展開。ラン攻撃で時間を使うフロンティアーズに対し、タイムアウトで時間を止めて早く攻撃権を奪いたいインパルス。両チーム最後の力を振り絞った攻防に、スタンドも大きな歓声で後押しします。
自陣20ヤードからの攻撃権を掴んだインパルスの攻撃時間は残り1分58秒。パスで時計を止めながら進むフォーメーションで逆転を狙います。先ずはTEレイモンド選手へのショートパス成功でシリーズを更新すると、敵陣43ヤードからのシリーズは残り1分30秒。3度のダウンでシリーズを更新できないインパルは、敵陣37ヤードの残り1分3秒でフォースダウンギャンブルに踏み切ります!
ラストワンプレーとなったパスはインコンプリートでターンオーバー。6点差でフロンティアーズが勝ち、3連覇を達成しました。
V3の富士通フロンティアーズ
優勝インタビューに臨んだ山本洋ヘッドコーチは、「パナソニックという強いチーム相手に、数少ないチャンスをものにして勝つことができました。守備が落ち着いて止め切ってくれたのが勝利につながった。」と試合を振り返ると共に、「また一からチームづくりをスタートし、日本一を目指します。」と全く隙を見せません。
MVPを獲得した、WRのサマジー・グラント(Samajie Grant)選手は決勝タッチダウンとなったトリックパスを振り返り、「練習では4、5回やって1回も成功していなかったプレーでした。でも、コーチとチームメートが信じてくれて本番で成功させることができました。」と満面の笑みでアメイジングプレーを振り返ります。