34分にも松田選手が左サイドに蹴った冷静なキックパスを途中出場のFL(フランカー)大西 樹選手がトライ! 松田選手のGも決まって27∸43と更に差を広げますが、ラストホーンが鳴り勝ちを確信したワイルドナイツファンからの歓声が上がる中でも、諦めないヴェルブリッツ。フェーズを重ねてワントライを目指して突進します。ワイルドナイツディフェンスも堪らずハイタックルの反則となるものの、ゴールライン寸前で無念のノーサイド。
鮮やかな逆転勝利でワイルドナイツが開幕無傷の4連勝を果たしました。
好試合に悔しさ滲む -ヴェルブリッツ
「前半と後半ではっきりとパフォーマンスに違いが出てしまいました。前半は良いパフォーマンスを出せましたが、チャンピオンのパナソニックにやられてしまいました。この敗戦、特に最後の20分には大きな学びがあったので今後に活かしたいです。」と、試合を振り返るベン・ヘリングHC(ヘッドコーチ)。
姫野キャプテンも、「とても残念な結果となりました。」と悔しさ顕わに試合を振り返り始めます。「前半はトヨタの強みである情熱とエナジーで自分たちの土俵にパナソニックを引き込んでエナジーを奪っていった良い展開でした。パナソニックは後半必ず盛り返してくることは分かっていたのですが、前半のパフォーマンスを後半の40分で続けられなかったのは残念でした。」と、前半の素晴らしいゲーム運びを後半に見せられなかったことを悔やみます。
後半、パナソニックに追い込まれた原因については、「たくさんの要素がありますが、自陣で攻めすぎて相手にボールを取られてしまったことも要因のひとつだと思います。アーロン、ボーディ(ボーデン)ともっとコミュニケーションを取っていくべきだと思いました。」と責任感の強い姫野キャプテンは自身の責任と振り返りました。
「トヨタが勝つためには、一貫性を持ってやり続けることが大事。試合時間の80分だけではなく、練習も次の試合も常に一貫性を持ち続ける。この悔しさをもって一貫性を保っていきたいです。」とチームの課題を挙げつつも、オールブラックスの主力、アーロン選手とボーデン選手の加入で強い刺激を受けているチームの今後にも期待を寄せます。
「素晴らしい選手なので既に良い影響を与えてくれています。まだまだ成長途上のチームなのでコミュニケーションや連携を含めて伸びシロがあると思います。マッチングしたときに素晴らしいパフォーマンスも出てきています。完成度をシャープにしていくことが大事。とてもワクワクしています。」と、まだまだ始まったばかりのリーグ戦の今後のブレイクを予見していました。
修正力に手応え -ワイルドナイツ
「本当に素晴らしい試合でした、ファンの皆さんもこういったゲームを期待して来場したと思うので良かったです。トヨタはしっかりと戦略を立ててきて、前半はとても効果的に機能したと思いました。ペナルティから失点を重ねてしまったが、後半はモメンタムを取り返してくれました。」とロビー・ディーンズHCは選手たちを称えます。
「試合前に(能登半島)地震被害の黙祷がありましたが、選手としてできることがあると考えていますので、埼玉パナソニックワイルドナイツ、リーグワンとして支援ができればと考えています。」と、先ずは年始に被害を受けた方々を気遣った坂手キャプテン。
「キックの処理、タックルと受けに回ったことが厳しい状況になった前半でした。後半は、ハーフタイムで最初の10分の入りをしっかりやろうと。自分たちのプライドやここでプレーする意味を考えてプレーしよう後半戦に臨みました。修正してくれた選手たちを誇りに思います。」と、試合を振り返りました。
オールブラックスの主力選手(アーロン選手、ボーデン選手)との対戦については、「皆さん誰もが名前を知っている選手なので分析と対策をしっかりしてゲームに入りました。裏のスペースを上手く使ってくるところ、アーロン選手の周りで攻めてくることは分かっていました。バック3のディフェンスやサポートの判断に対してプレッシャーを与えてしまったと感じています。それによって2人を自由にさせてしまいました。レフリーとのコミュニケーションやゲーム創造性は素晴らしかったです。」と、ラグビーW杯2023で対戦が叶わなかった2人のプレーに学ぶものがあったと話してくれました。
心優しきNZを代表するスター -ボーデン・バレット選手
「前半はとても良い試合でしたが、タレント豊かな相手チームに勝つには一貫性が必要です。」と、残念そうに試合を振り返るボーデン選手。チームに良い影響を与えていると思うかという質問にも、ニッコリ笑って「そうであるといいなぁと、嬉しいなと思います。」と謙虚に話します。
世界最優秀選手に2度も輝くボーデン選手は、世界で最も人気のあるニュージーランド代表 “オールブラックス” のスーパースター! スーパースターにもかかわらず、記者たちの質問ひとつひとつに丁寧に受け答えをしてくれる “紳士” なボーデン選手なのです。