Wheelchair Rugby -Journal-ONE撮影
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これは!? まるで武士の居合を見ているようで、そのテクニックに思わず立ち上がってしまいました。Wheelchair Rugby 東京2020パラリンピック銅メダル 倉橋香衣選手(AXE) -Journal-ONE撮影

ローポインターによるコート中盤での早いディフェンスにより、速攻での得点ができないSILVER BACKSは、キーエリア付近でのセットプレーで攻撃の流れを引き戻そうとします。相手の動きを読んでの第4クオーターは、AXEの作戦が更に功を奏した展開となります。このクオーターにフル出場した羽賀さんが、得意の早い攻守の切り替えでSILVER BACKS選手たちを翻弄していきます。

キーエリア付近のディフェンスでは、フォーメーション通りのローポインターの鉄壁ガードを活かし、ニックさんや峰島さんが相手のボールを奪いに行きます。ボールを奪った!と思った瞬間、既に羽賀さんが相手陣内に独走しているではないですか!

ハイポインターからのロングパスを難なくキャッチした羽賀さんが、独走でトライラインに通過していくシーンが何度も繰り返され、更に点差を広げながら初戦を勝利で飾りました。Wheelchair Rugby 東京2020パラリンピック銅メダル 羽賀理之選手(AXE) -Journal-ONE撮影

この日行われた3戦にいずれも勝利したAXEは、2日目を待たずしてのプレーオフ進出が確定! 日本選手権へ無事にコマを進めることができました。

「とにかく勝てて良かった。どの試合も序盤からスタートダッシュをかけて、試合の主導権を握ろうとチームで共有していたことができました。」と試合後に乗松さんが語った通り、全ての選手が得意なプレーを見せたAXEの良さが際立ったプレーオフの初日となりました。Wheelchair Rugby 左から青木颯志、橋本惇吾、乗松隆由、岸光太郎の4選手(AXE) -Journal-ONE撮影

2日目は2試合が行われ、この日唯一2試合を戦ったWAVESの健闘が光りました。Wheelchair Rugby プレーオフ AXEとWAVESの一戦 -Journal-ONE撮影

Wheelchair Rugby プレーオフ AXEとWAVESの一戦 -Journal-ONE撮影

WAVESは大阪を活動拠点に今年結成された新チーム。

「何せ初心者も多くて、何が足りないのか、何が必要なのかも分からずにがむしゃらに突き進んできました。」と話してくれたのは、ハイポインターの河野 悟選手です。

河野さんは、JR西日本のラグビー部 “レイラーズ” でフッカーとして活躍していたラガーマン。Journal-ONEの運営会社も同じジェイアールグループなので、どこの職場にいたの?どんな仕事をしていたの?などと会社の話でも盛り上がってしまいました(笑)。Wheelchair Rugby 河野 悟選手(WAVES) -Journal-ONE撮影

河野さんを始め、競技歴の浅い選手が多いWAVESですが、日本代表選手が揃うAXEにも果敢に勝負を挑んでいきます。点差が付いてもとても楽しそうにプレーする選手たち姿は、「スポーツは楽しんでするもの」という本質に改めて気付かせてくれます。

ひときわ楽しそうにプレーしていた山本 卓矢選手も、競技歴は僅か9ヶ月!「練習も試合も、車いすラグビーが楽しくて仕方ありません!ラグ車もやっと来たばかりなんです。」とあっという間の今シーズンを充実した表情で振り返る山本さん。聞けば山本さんもジェイアール、しかも私たちと同じグループのJR東海に勤務されていたとのこと。

「本格的に車いすラグビーをやりたくて、今はアスリート雇用を目指して日々トレーニングしています!絶対に、日本代表のユニフォームを着ます。」と、近い将来の夢を力強く語ってくれました。 Wheelchair Rugby 川口健太郎、山本卓矢選手(WAVES) -Journal-ONE撮影

Wheelchair Rugby 山本卓矢選手(WAVES) -Journal-ONE撮影

今回初めて話を聞いたWAVESは、香川県高松市で行われたFreedomとAXEの合同合宿に参加する予定だったんです。取材を楽しみにしていたのですが、急遽合宿の参加ができなくなってしまったWAVES。こんな形で取材できて本当に良かったです!

来シーズンはAXEやFreedomのように、選手やスタッフの活躍を皆さんにレポートしたいですね。

試合後、日本代表ヘッドコーチのケビン・オアーさんがWAVESの選手たちを集めて、チーム強化のポイントを説明しています! AXE密着取材記②・千葉ロータリーカップ編で、ミニ大会にも視察に来るケビンコーチの驚きのフットワークの良さを紹介しましたが、結成1年目のチームが日本代表ヘッドコーチに直接教えを請う機会がある、車いすラグビーの “世界の近さ” も驚きですね。Wheelchair Rugby WAVESにアドバイスするKevin Orr HC(ケビンヘッドコーチ) -Journal-ONE撮影

Wheelchair Rugby WAVESにアドバイスするKevin Orr HC(ケビンヘッドコーチ) -Journal-ONE撮影

さて、2日目の試合も素晴らしいプレーが連発したAXE。特にWAVES戦での第4クオーター後半に出場した、岸さん、山口さん、乗松さん、小川さんのローポインター・ラインは、攻守にわたる卓越したテクニックが光る面白い試合となりました。

「ローポインターだけの国際大会もあって、そういった試合でも磨いてきた技術を発揮できました。」と岸さんが話すとおり、ハイポインターをひとりでガッチリと抑えるラグ車のホールディング力や、攻撃のスペースを消していく判断力、キーエリア前の硬いフォーメーションなど、見応え十分の4分間。中でも、ハイポインターと遜色ないチェアワークでトライを重ねる乗松さん! トップスピードに乗る早さや、鋭い切り返しのフェイントにWAVESの選手たちも追いつけません。Wheelchair Rugby AXEのローポインタートリオ 小川晃生、乗松隆由、山口貴久選手-Journal-ONE撮影

Wheelchair Rugby 2016リオパラリンピック銅メダル 岸光太郎選手(AXE) -Journal-ONE撮影

残り0.4秒でタイムアウトが掛かります。AXEのスローインとなるラストプレイです。ここで投入されたのは、峰島さんと羽賀さん。峰島さんがキーエリアで待つ羽賀さんにロングスローを入れ、そのままトライするというビッグプレーにチャレンジするようです!

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