選考基準を説明するジェイミーHC
「今日はここに来られてうれしい。いつもサポートありがとう。」と、集まった報道陣に対して会見を無事に迎えることのできた感想を述べたジェイミーHC。「ハードワークしてくれた選手たちに感謝したい。メンバー外となった選手たちにも本当に感謝している。その選手たちがいなければ、今はない。」と、代表合宿に参加して懸命にハードワークをしてきた全ての選手たちへの感謝を伝えます。
「今年はワールドカップへの大きなチャレンジの年。前回のワールドカップからコロナ禍でラグビーができない日々もあったが、その中でも強豪チームとの対戦を重ねるなど準備はしてきた。ワールドカップでは絶対に勝ちたい。2019年で結果を出した自信もある。」と、来月に迫ったラグビーワールドカップ フランス大会への決意を述べる一方で、「今日は、33人の代表メンバーの発表を予定していたが、(フィジー代表との一戦で)けが人なども出て、今の時点での判断が難しいため30人の発表とさせていただく。(直近の国内強化試合5試合は)残念な結果にはなりましたが、現代ラグビーではレッドカードは仕方ない。イングランド※でも出た。」と、後日3名を追加発表することになった経緯を話します。※8/12のイングランドvsウェールズのテストマッチで、主将のOwen Farrell(オーウェン・ファレル)選手が受けた “危険なタックルに関するレッドカード”
1勝5敗に終わった国内でのテストマッチを踏まえ、どういう準備が出来たのかという問いには、「高いレベルのチームと戦えたこと。リーグワン終了後、5週間休んですぐにニュージーランド代表(オールブラックス フィフティーン)と戦えたのはよかった。インテンシー、スピードなど、そのすべてがダメだったわけではなく、ケガ、コロナ、レッドカードなど、色々など不測の事態で対応できたことが良かった。」と答えたジェイミーHC。
「専門性の高いポジションであるフロントロー(プロップ、フッカー)の9人、SH(スクラムハーフ)の3人、SO(スタンドオフ)の3人。ワールドカップのルール上、半分近いこれらのポジションが自ずと決まってしまう。」と、選考の幅が狭い中での苦心の選択であったことを説明しつつも、「このメンバーで、しっかりと勝つ。試合に勝つ。先ずはトップエイトに残る。ワールドカップは何が起こるかわからないが、(誰がチームを率いていたとしても変ることの無い)早く動き、ボールをどんどん動かすアタッキングラグビー、ジャパンラグビーを、地域の気候や相手などに合わせて見せ続けて結果を示したい。」と、フランス大会に向けての抱負を力強く話してくれました。
期待と不安の一問一答
7月8日から8月5日にかけ、日本各地で国際マッチを行ってきた日本代表。強豪揃いの対戦相手とは言え、その戦績(1勝5敗)や試合内容をを見ると、史上初のベスト4以上入りへの視界が良好ではありません。ラグビーファン、日本国民が持つ期待と不安を代表し、記者団からは様々な質問がジェイミーHCに向けられます。
Q:30名までの発表となった選手たちのケガの状況と、選考期限は?
「Warner DEARNS(ワーナー・ディアンズ)、Amato FAKATAVA(アマト ファカタヴァ)、Pieter LABUSCHAGNE(ピーター“ラピース”・ラブスカフニ)など、ケガの回復具合を見ながら最終的にはヨーロッパツアーに行く前に決める。LO(ロック)のファカタヴァは良い選手。ディアンズ選手も21歳とまだまだ若い将来性ある選手たちのケガは残念だ。」
Q:キャプテンに指名した姫野選手への期待は?
「姫野は、チームをまとめるだけでなく、自分のプレーで引っ張っていくというパッションもある選手。時にはチームを頼ったリーダーシップを発揮してくれることを期待している。ワールドカップの期間中も選手たちを成長させていかねばならない。チームのパフォーマンスが上がっていく好事例は、ONE TEAMをスローガンに臨んだ2019年の日本大会。これまでリーチや堀江などの様々なキャプテンを試した通り、チーム内にはリーダーはたくさんいる。彼らが姫野をサポートしてくれれば。」
Q:今回の選考におけるこだわりは?
「スピード、スキルがジャパンラグビーの象徴。これまで、いろいろな選手を使ってきたが、個人個人のミスもあった。プレッシャーのかかる場面で選手が困惑した場面もあった。そういったときに経験ある選手たちがどう対処できるか?この部分を期待してメンバーを選んだ。フロントロー、SH、SOというポジションだけでメンバーの半分くらい決まってしまう。そのため、リーグワンではFB(フルバック)もやっていたLomano Lava LEMEKI(レメキロマノラヴァ)、Semisi MASIREWA(セミシ・マシレワ)、長田、Jack CORNELSEN(ジャック・コーネルセン)などの複数ポジションをカバーできる選手を選んだ。」