無失点に抑えたディフェンスについては。「どんなチームに対しても、効果的に効率的にディフェンスをしないとゼロに抑えることはできません。特に、ライナーズはフィジカルが強い選手、アジリティの高い選手がいる中で無失点に抑えたことは素晴らしいこと。モメンタムを止めてくるディフェンス、特に2人目の選手のよりが早く、うまくかわせなかった前半でした。後半からはうまく対応してくれました。」と選手たちを称えていました。
「日本で育ったラガーマンが高校生の時から目指す憧れの “聖地・花園“ でプレーすることができて本当に楽しかったです。」と、聖地・花園でプレーした思いを話す坂手 淳史キャプテン。「前半にペナルティが重なったり、ミスが続いたりする場面では、選手一人一人で修正しようとしたことでなかなか思ったようなプレーに繋がりませんでした。後半はフィジカルの部分、バトルの部分で勝負してくることは分かっていたので、負けないようにこちらからコンタクトしていこうと話しました。その結果、パスやハンドリングがしっかりできるようになってきて得点に繋げていけました。」と、修正力で流れを掴んだ試合を振り返ります。
ボールハンドリングが上手くいかなかったのは、昨日から急激に変わった気温や湿度の影響もあったのかと聞くと、「それも多少はあったかもしれませんが、近鉄さんの強いディフェンスに対抗しようと、こちらも力が入って脚が前に出過ぎてしまいました。」と、ライナーズのプレッシャーに影響を受けたと坂手キャプテン。
「前屈みになり、本来のタメを作って周囲を見ながらのボール回しができなかった。それを後半、コンタクトで先ずしっかりと勝ったことで、いつも通りのボールを繋ぐプレーに戻すことができたのです。」と、分かりやすく解説してくれました。
強敵に善戦も課題を痛感 -ライナーズ
「皆さんが思っているとおり、前半は非常にディフェンスをしっかりとやってくれて良い試合を作れました。前半最後にトライできていればもしかして前半をリードして折り返していたかもしれない。」と、ノックオン判定でトライキャンセルとなったシーンを悔やむ向井 昭吾HC。
「インプレーをなくす、短くするというのが今週のターゲットでした。インプレーが長いワイルドナイツに対しては、必ずタッチに蹴ってプレーを完結させる。ブツブツとプレーを切った中で、ディフェンスをしっかりとやるということにフォーカスしてやってきました。」と対ワイルドナイツへの準備について答えた向井HC。
インプレーが長くても2対1でタックルに行くことで、ワイルドナイツの攻撃に対抗できていた点については、「今季はディフェンスコーチも来て、1試合30点以下の失点で抑えてその近辺で勝つというゲームプランを持っています。前半ではできていただけに、後半の疲れたときにしっかりとできるかどうか。誰が出ても同じようにできるように鍛えてきたつもりなので、また代わった選手がやってくれると思います。」と、手応えを話してくれました。
花園のファンに世界のキックを -松田 力也選手
「今日は本当に風が強くて、最初はその風を意識しすぎて体が開いてしまいました。」と、風下に向かって蹴りこんだ1回目のキックを振り返った松田選手。「2度目(成功したキック)は、まだ少し身体が開いていましたが、風に対応することができました。」と、ラグビーW杯2023で私たちに感動を与えた、驚異のキック成功率95%を誇る高い技術の一端を教えてくれました。
8月のラグビーW杯前の国際親善試合トンガ戦以来となった、“聖地降臨” となった松田選手の “神キック” にスタンドが沸いていたことを伝えると、「そうですか?気づきませんでした!」と嬉しそうに答えた松田選手は、「花園はいろいろな思い出が詰まった特別なスタジアムなので、自分自身もプレーすることを楽しみにしています。これからも観戦に来ていただいた皆さんに、もっと良いプレーをお見せできるようにしたいです。」と、笑顔で聖地・花園に詰めかけたファンの皆さんへメッセージを送ってくれました。
地元凱旋で精一杯のプレー -堀江 翔太選手
ラグビーの聖地・花園への思い入れについて聞かれた堀江選手は、「高校時代、花園でプレーすることが夢ではありましたが、私立の強豪に勝てずともそこ(高校ラグビー)が全てではありません。今はそこまで特別な思いはないですね。」と、ステージが変わった今では高校ラグビーは数ある良い思い出のひとつと話します。
今季初トライを挙げたことについては、「チームに貢献することが最優先です。どうやったらチームを勝たせるかを先ず考えています。ですが、ここで久しぶりのトライを挙げたのは嬉しいですし、ボス(高校の恩師・天野さん)の観ている前でトライできたというタイミングも良かったですね。」と、ニコッと笑う堀江選手。