リーグワンのチームをはじめ、各地域では小学生までを対象としたラグビースクールが増えてきていますが、ラグビー部がある中学校が少ないため、折角ラグビーを始めても中学校で別のスポーツに移ってしまうケースが多く見られます。そのため、協会では ”放課後ラグビー” として各地に指導者を派遣し、ラグビーを続けられる環境を作っています。特にリーグワンのチームがない四国や、Division1のチームがない東北や九州などに力を入れて派遣しています。
また、6月6日(火)には、ラグビー協会として初めてとなる日本ラグビーの強化拠点を開所します。(インタビュー時は発表前)福岡県福岡市にある、かつて社会人ラグビーチーム “コカ・コーラレッドスパークス” が練習拠点として福岡市から借りていたグラウンドを借り受け、宿泊施設などと併せて運営していきます。
“ラグビーワールドカップ2019” のレガシーとして、試合が行われた全国12都市を中心に ”自治体ワンチーム” (ラグビーとの地域協創を推進する自治体連携協議会)を作って、ここでも日本全国におけるラグビーの普及・振興、ラグビーを行う環境の整備、ラグビーを通じた街づくりや青少年・社会教育活動なども行っています。
リーグワンの本拠地でなくとも、合宿などでお世話になっている地域は熱心にラグビーを応援して下さっています。大分県や宮崎県、沖縄県などがその代表例です。こういった地域でもリーグワンのチームができたり、試合が開催されるよう地域と連携して取り組んでいくつもりです。
今年30周年を迎えたJリーグは地域との連携が進んでいて、様々な地域で新スタジアム構想が進んでいます。ラグビーも、サッカーが30年掛けて創り上げたものを10年で達成できないか。川淵三郎元チェアマンにも教えを請いています。
ラグビーワールドカップ2023フランス大会の展望
-5/24には「ワールドカップ日本代表スコッド(代表36人+代表候補10人の集まり)」が発表されました。 ”ラグビーワールドカップ2019” で活躍した、リーチ マイケル選手(東芝ブレイブルーパス東京)や、中村 亮土選手、松島 幸太朗選手(東京サントリーサンゴリアス)はもちろん、今季リーグワンで活躍した木田 晴斗選手(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、長田 智希選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)といった期待の新星まで、ワクワクするメンバーが揃っています。
今回のメンバーに関して、私たちに注目して欲しいポイントをお聞かせいただくと共に、”ラグビーワールドカップ2023” に期待するスポーツファンの皆さんにメッセージをお願いします。-
現代ラグビーでは、体力的に1人の選手がフルタイムで戦うことは難しくなっていますので、途中交代しても競技力が変わらない選手層の厚さが求められています。今回の代表スコッドをみると、リーチ マイケル選手、稲垣 啓太選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)などのベテランに加え、木田 晴斗選手、長田 智希選手などの新戦力が融合した良いチームになっています。
この他にも、リーグワンで高いレベルの試合経験を積んだことで、選手が交代しても競技力が変わらない選手層の厚いチームに成長しつつあります。今年で7年目を迎えるJamie Joseph(ジェイミー・ジョセフ)ヘッドコーチが、良いチームを作ってくれています。
私たちも、全国各地でパブリックビューイングを実施するなど、皆さんと一緒に応援する準備を進めています。2019年の “ワンチーム” より着実に強化されていますので、前回以上の成績 “ベスト8以上” を目指して、皆さんと一緒に応援していきたいです。
今年のラグビーワールドカップでの盛り上がりを活かし、ラグビー協会会長として、ワールドカップを日本に持ってくることが一番の役割だと考えています。早ければ、2035年に男子、2037年に女子の開催実現に向けて全力を尽くします。