「(四国を元気に!プロジェクトでは、)ソフトボールだけでなく、平成30年7月豪雨で甚大な被害を受けた、野村町にも足を運んでいただき、復興の進んでいく様子も見てもらいました。観光スポットや、特産品なども今後は紹介して欲しいです。日本で唯一 “卯(うさぎ)” の名が付く卯之町駅。卯の年である今年に相応しい、物語の始まりですね。」と、兵頭さんも深まりつつあるソフトボールでの絆に期待を寄せていました。
また、新設された木の温もりいっぱいの卯之町駅で使われている西予市産の木材の一部には、東京2020の選手村で使用された西予市産の木材がレガシーとして活用されているんです!スポーツと観光、地域の暮らしが融合する卯之町駅近くの西予市宇和球場でJDリーグの公式戦が開催されるのもご縁を感じるストーリィですね。
地域活性化にスポーツを!
JDリーグ公式戦の誘致、地元企業のJR四国と伊予銀行との絆といったエポックメイキングな施策による地域活性化を含め、少子高齢化における課題解決にもスポーツを活用していこうとしている西予市。
「宇和中学を除く市内4つの中学校では、生徒数が年々減少しており、募集を停止した部活動や、廃部となった部活動があります。中学校によっては、部活動の選択肢がほぼ無い学校もあるくらいです。」と少子化によって子どもたちのスポーツをする権利が危ぶまれている現状を管家市長が話します。
「スポーツ庁が掲げている休日の部活動の地域連携・地域移行への対応を速やかに行うべく、市では “部活動地域移行推進協議会” を設立し、将来を見据えた西予市の部活動の在り方、“西予市スタイル” を協議してもらっています。合同チームで参加せざるを得ない、他校への移動に保護者が数十分掛けて送迎をしなければ成り立たないなど、解決すべき課題が多い中でも、西予市の子どもたちがスポーツのできる環境を整えていきます。」と決意を語る管家市長。
兵頭会長も、「今回のJDリーグ公式戦誘致や運営は、市と市民団体が一緒になって取り組んでいます。様々な課題解決についても、行政と市民が手を取り合って、協力して町を盛り上げていきたいです。」と、ソフトボールから始まる市民一体となって町の未来を創っていくと話してくれました。
JDリーグの前期最終節が開催された球場の周りでは、西予市観光物産協会がテントを出して特産品をPRしています。「県外から来た多くの観客の皆さんや、選手たちが西予市産のみかんジュースなどをたくさん買ってくれました。少しでも西予の良いところを知ってくれたなら嬉しいです。」と事務局長の正司 哲朗さんが話します。
「市内の米農家が集まって、米麹を使った食べ物をPRしています。」と、大きなブロック肉を焼きながら話してくれたのは、地元で米農家を営む中野 聡さん。「米を作るだけでなく、米麹を使った甘酒(米乳-マイニュウ)や、調味料として漬け込んだ肉を食べて貰うことで、西予の米を色々な人にPRしたいです。」と、インスタ映えするブロック肉を丁寧に切って出してくれた米麹ステーキは、ほのかな米の香りと甘みが肉汁に絡み合う絶品の仕上がり!こちらも予想以上の売れ行きで、用意していた肉はあっという間に完売してしまいました。
部活動に頑張る選手たちの笑顔
JDリーグ・西予ラウンドが始まる前日、向かったのは会場となる宇和球場の近くにある西予市立宇和中学校。お昼休みを割いて集まってきてくれたのは、女子ソフトボール部の選手たち15名です。
今年の2月、伊予銀行とJR四国の取り組み “四国を元気に!プロジェクト” で、ヴェールズの庄司投手と辻井選手と一緒にソフトボールを通じて交流を深めた1、2年生が、新年度に入り新たに部員を迎えて活動をしています。
主将の神山さんは、「庄司選手と辻井選手の教え方がとても上手で本当に勉強になりました。愛媛アストライアーの選手たちと一緒にクリニックを受けたことも刺激になりました。」と振り返ってくれました。投手の山口さんと細谷さんも「庄司さんにピッチングを教わったのですが、コントロールの付け方を教えてもらってからはストライクが入るようになりました。」と、トップ選手のコーチングが効果覿面だったことを教えてくれました。
捕手として庄司選手のボールを受けた三好さんも、「投げ方がとても綺麗で、球も速くて本当に凄かったです。」とトップリーグの選手のパフォーマンスに目を見張っていました。
今年度入った部員を含め、中学に入ってからソフトボールを始めた方ばかり。
硬式野球との “二刀流” に挑戦している菊池さんは、「野球とソフトボールはそれぞれで学ぶことが多いです。(宇和中の)先輩やチームメイトに恵まれて楽しいです。」と、部活動がコミュニケーション能力を育くみ、豊かな心と他人に対する思いやりを生むことを改めて実感しました。
宇和中学校でインタビューしたことを庄司選手に伝えると、「ソフトボールは楽しくプレーして欲しい。楽しくプレーできるために、少しでも上手になれるコツを掴んで貰えていたら嬉しいですね。」と笑顔で再会を待ち望んでいました。辻井選手も、「お役に立てたならば嬉しいです。(1年生にはまだ会っていないので)呼んでいただけたら、是非またクリニックで交流したいです。」と笑顔で話してくれました。