【2・2・1・1ライン】では、小川選手の個人技と、若山選手と今井選手のコンビネーションが光ります。小川選手はたった一人で2人の選手を抑え込んでいます。これだけで、Classの総点数が6点であってもマッチアップが互角になりますよね。若山選手と今井選手は。互いのポジショニングを対角に取ってスペースを消したり、ディフェンスが足りていると見るや否や高い位置に素早く移動してゴールまで一気にボールを繋いだりと大活躍を見せてくれました。
「ローポインターのラインであっても、ポジショニングや役割りは変わりません。コートの中で常にコミュニケーションを取って、ゲームメイク仕切れたことが良かったです。」と試合後に小川選手が話してくれたとおり、若い小川選手のキャプテンシーにも頼もしさを感じましたね。
また、#22 乗松選手と#2 長谷川選手も、普段組む機会の少ないラインの中に入っても全く違和感の無い協調ある動きを見せてくれます。乗松選手はNo3のポジションであっても果敢にゴールを狙っていきますので、韓国は本当に嫌でしょうね。
これだけローバンパーの選手が入っていると、普通は動きが遅くなるのですが、日本のローポインターはトランジション(攻守の切り替え)がとてつもなく早いため、韓国がフォーメーションを整える暇無くプレッシャーを掛けられています。ターンオーバーの連続となりましたが、決して手を緩めない日本代表は70-18の大差で3連勝を果たし、余力を持ってオーストラリア戦に臨むことになりました。
Game8-第2ピリオド
【3・3・1.5・0.5ライン】#21池選手(3.0)、#13島川選手(3.0)、#22乗松選手(1.5)、#2 長谷川選手(0.5)
【3・3・1・1ライン】#21池選手(3.0)、#7池崎選手(3.0)、#1若山選手(1.0)、#9今井選手(1.0)
第2ピリオドに入り17-18となった日本代表は、主戦ラインを投入してオーストラリアに傾き掛けたモメンタムを奪い返しに行きます。エース・バット選手が休むローテーションとも重なったため、再逆転のチャンスと見た日本は、次々にフレッシュなハイポインターを投入しますが、オーストラリアも譲りません。
【3.5・3・1・0.5ライン】#32橋本選手(3.5)、#13島川選手(3.0)、#23小川選手(1.0)、#2長谷川選手(0.5)
【3・3・1.5・0.5ライン】#21池選手(3.0)、#13島川選手(3.0)、#22乗松選手(1.5)、#2 長谷川選手(0.5)
ここで注目して欲しいのは、#3 倉橋選手(0.5F)が欠場した穴を埋めた、#2 長谷川選手(0.5)の奮闘です。このハイレベルの戦いの中、ピリオド中にほぼ出場し続けるのはフィジカル、メンタル共に相当キツいはず。ところが、長谷川選手が所属しているチーム “BLITZ(ブリッツ)” は、少ないメンバーで何試合もこなすタフネスなチーム。島川選手、池崎選手、小川選手と日本代表の4人が所属していることもあって、高いレベルでの長時間プレーはお手の物なんです!今年2月に行われた、車いすラグビー日本選手権でもそのタフネスさにやられた苦い思いが蘇ってきました(笑)。
Game8-第3ピリオド
【3・3・1.5・0.5ライン】#21池選手(3.0)、#13島川選手(3.0)、#22乗松選手(1.5)、#2 長谷川選手(0.5)
28-29と接戦が続く第3ピリオドも同じラインで戦う日本代表は、33-32と1点リードしたところでベンチタイムアウトを取りました。新たな作戦を共有しつつフレッシュなラインに入れ替えてオーストラリアを揺さぶりに掛かります。
【3・3・1・1ライン】#21池選手(3.0)、#7池崎選手(3.0)、#1若山選手(1.0)、#9今井選手(1.0)
ここでギアを上げたのは、#1 若山選手と#9 今井選手のローポインターコンビです!#10 ボンド選手に猛烈なプレッシャーを掛け始めます。このプレッシャーにボールを出せないオーストラリアは耐えられず#3 エースのバット選手と投入しますが、ボンド選手へのプレッシャーを掛け続けます。
【3.5・3・1・0.5ライン】#32橋本選手(3.5)、#13島川選手(3.0)、#23小川選手(1.0)、#2長谷川選手(0.5)
オーストラリアもディフェンスを変えてきます。長谷川選手をローポインター2枚で抑える作戦です。長谷川選手との協調でボールを運んでいる日本の攻撃のリズムを崩しに掛かる狙いです。これに対応した小川選手がポジションをスイッチして、オーストラリアの思惑を崩しに行きます。橋本選手もしっかりと小川選手が入ってくるのを待って攻撃!落ち着いたプレーが光ります。島川選手も自らをおとりに、ディフェンスをしっかり引きつけてからフリーの橋本選手にパスを出すなど、絶妙なゲームメイクを見せてくれます。