アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、世界中の柔道家たちが憧れる畳で稽古をする初心者の筆者・矢澤昌之(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影
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人体の仕組みが分かる!丁寧な指導に感激

私たちが普段目にする柔道といえば、オリンピックなどの国際大会における日本代表の皆さんの活躍する姿です。激しいトレーニングで自らを追い込むシーンや、屈強な選手たちが懸命に戦うシーン、そして試合後に見せる感動の歓喜のシーン・・・ 皆さんが持つ “柔道のイメージ” はそういったものではないでしょうか?

例外に漏れず、私も「柔道は相当な筋力と体力を使うのでは無いか?」と思っていましたが、実は必ずしもそういった側面だけではないのです。

「お互いに正対して “組み手” をしてみましょう。」と、有川先生に教えていただき ”右組み” という体勢になります。互いに右自然体で正対して、左手で相手の右腕(袖の真ん中下あたり)を掴み、右手で相手の左の前襟を掴みます。柔道の試合で見る最初の体勢です。柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、有川勇貴先生(六段)に組手の指導を受ける筆者・矢澤昌之(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

「ひとりの方が、ダンスをするように好きな方向へ動いてみて下さい。そうすると、相手の方は腕を伝ってどちらに動こうとしているかが分かると思います。」との説明で、ペアの加賀さんが動くと・・・ 確かに!どちらに動こうとしているかが、袖や襟から伝わってきます!

「常に正対するように、相手の方は動きを察知した方向に合わせて動いてみて下さい。足元を見ないで正面を向いて相手の身体全体をぼんやり見るようにすると様になりますよ。」と藤中先生にポイントも教えていただき、さながら “柔道の組み手ダンス” が始まりました。柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、有川勇貴先生(六段)に組手を教わり実践する筆者・矢澤昌之と加賀さん(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

「足を交差させないよう、摺り足で動いてみて下さい。そう!すっかり経験者の組み手になりましたよ。」と有川先生に褒めていただき、最初は遠慮がちに動いていた私たちも楽しくなり「動きが予測できますよ!」「腕がセンサーになって、身体が勝手に反応しますね!」と、感心しながら稽古に熱中しました。柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、有川勇貴先生(六段)に組手を教わり実践する筆者・矢澤昌之と加賀さん(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

「組み手をする際、両手首を絞ってみて下さい。それだけで、力が無い人でも相手の動きを制限することが出来ますよ。」と、向井先生に教わった通りにすると・・・ 腕や肩に力を入れなくても簡単に相手の動く範囲を狭めることに成功しました!これならば、筋力の無い私たちでもしっかり相手と組み合うことができる訳ですね。

向井先生の「人間の身体は、何度前に傾くと倒れるか知っていますか?」という問いかけに、「え?そんなこと考えてもみなかった・・・」と頭を捻る私たちに、「柔道だから、10度(じゅうど)です(笑)!」と、ユーモアを交えて人体の仕組みを教えていただくシーンもありました。柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、受身の仕組みを丁寧に指導する向井幹博先生(七段)は何人もの五輪メダリストを育てた名指導者(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

相手を安定した立て膝の状態にして組んで、前にゆっくりと10度倒すと・・・本当です!前に倒れそうになって、思わず片方の膝を前に擦り出してしまいます。

「この相手が “崩れた” 状態の時に、前に出そうとする膝に足を投げ出すと・・・引っかかって倒れますよね。これが柔道の相手を崩して技を掛ける仕組みなのです。」と向井先生に技を掛けるタイミングを教わり、実演に通りにやってみると、勝手に相手が転がっていきます。人体の仕組みを分かりやすく紐解きながら柔道技に繋げていくことで、”柔よく剛を制す” と言われる意味がストンと腹落ちしていきます。

「因みに、この動きを立った状態でできるようになると、“膝車” という投技の一つになります。皆さん、既に一つの技を習得しましたね。」と、向井先生に褒めていただき益々やる気がみなぎってきました。先生方は、生徒を乗せるのがとても上手い(笑)!柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、有川勇貴先生(六段)に足払いの基本指導を受ける筆者・矢澤昌之(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

教わる人の経験値や、反応を見ながら時にユーモアを交えて様々な視点から指導していただくことで、今まで抱いていた『柔道をするって大変なんだろうなぁ』というイメージが払拭され、『あぁ、柔道って人体の理にかなった誰でも気軽に出来る運動なんだ!』ということに気付かされます。

柔道家になった気分で!先生との交流

柔道の技の種類は、投技68本、固技32本の計100本! 投技の実践は、やはり受身がしっかりできるようにならないと危険ということが分かりましたので、「7日間の稽古では、技を習得するまでは到達しないのだろうなぁ・・・」と思っていました。

すると、「それでは、ひとつの技を実際にかけてみましょう。柔道でよく使う固技のひとつ、袈裟固(けさがため)をやってみます。」と有川先生に提案され、私たちに笑顔がこぼれます。袈裟固は32本の固技の中にある抑込技の一つで、相手をあおむけにして概ね向かい合い、首と片腕を制して抑え込む技です。足を大きく前後に開いてバランスをとり、脇に挟んだ相手の腕をしっかりとロック。相手がブリッジをしたり、足を自分の足に絡めて逃れようとするのを持ちこたえる必要があるため、しっかりと相手に上半身を密着させながら足の動きにも注意しなければなりません。柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、有川勇貴先生(六段)に崩袈裟固の指導を受ける筆者・矢澤昌之(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

「それではお互いに技をかけ、それから逃れる練習をしましょう。」と、有川先生と藤中先生の実践を見つめます。ズサササ、ザザッと、畳と柔道衣が擦れる音は逃れようとする藤中先生の動き。これ実際にやってみますと、畳と柔道衣が密着してなかなか動くことができないのです・・・ 「できるだけ畳と柔道衣の接地面を少なくすることで、摩擦の抵抗力を弱めて動くことがポイントです。」と、物理学を鑑みた動きのポイントを向井先生が教えてくれます。柔道の総本山・講道館が初めて企画した朝稽古、向井幹博先生(七段)の話しに聞き入る筆者・矢澤昌之と加賀さん(講道館大道場にて)-Journal-ONE撮影

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