これからの車いすラグビーの活性化を考えると、アジアにおける競技者の普及や競技人気の拡大は必要だと思います。車いすラグビーを盛り上げるためにも、韓国をはじめとするアジアの国々との交流は欠かせないと思います。実はこの夏、車いすラグビーをインドに広めようとする普及活動があり、私もインドに行く予定なんです!インドでも車いすラグビーの魅力を知って、ひとりでも多くの方にプレーしてもらいたいと思います。
Game1-第2ピリオド
【3・3・2・0ライン】#21池選手(3.0)、#7池崎選手(3.0)、#14 中町 俊邪選手(2.0)、#3 倉橋 香衣選手(0.5F)
【3・3・2・0ライン】#21池選手(3.0)、#7池崎選手(3.0)、#4羽賀 理之選手(2.0)、#3倉橋選手(0.5F)
いよいよ、私が所属するAXEのチームメイトである羽賀選手と倉橋選手が登場してきましたね!このラインは、オフェンス面で一番安定しているラインです。ポイントの高い順にNo1、No2、No3と呼んで役割分担をするのですが、No3に2.0という高ポイントの選手が入ることで、有利にボールを運べますしパスも出すことができます。もし、3.0の選手がガードされたとしてもNo3の位置にある2.0の選手が1.5や1.0の選手よりも安定感あるプレーで助けることができるのです。メインのボール運びは3.0の選手がしっかりとやる。補助的なところや緊急事態の場面で2.0の選手が活躍するということです。
#3 倉橋選手(0.5F)が、#6ヘイデン選手(3.0)を抑えて良いディフェンスを見せています。このプレーに会場も沸いていますね!倉橋選手が相手の背後を取ってブロックできるのも、一旦池崎選手(3.0)がフェイントをかけているからこそ。池崎選手の動きに惑わされた選手が前に出た隙を突いて倉橋選手がブロックをしたという構図です。こういった協調したプレーのできるハイポインターの動きは、オーストラリアのような強豪と戦うときには特に効いてきます。
今度は、自陣から攻め込んでくるヘイデン選手の進路に倉橋選手が進入!これを避けてスピードダウンしたヘイデン選手に、戻ってきた池崎選手がブロックしてターンオーバー(オフェンスのボールを奪って攻撃権を得るプレー)です!このように、アジリティのあるハイポインターの動きを止めることのできないローポインターでも、進路を塞ぐことで相手の動きを鈍くすることができます。結果、ハイポインターによるターンオーバーが生まれるわけですね。
【3・3・1・1ライン】#21 池選手(3.0)、#7 池崎(3.0)、# 1若山 英史選手(1.0)、#9 今井 友明選手(1.0)
誰がどこにディフェンスに行くのか?瞬時の判断でポジションが入れ替わる。こういったところも見応えがあるプレーです。
ハイポインターとの阿吽の呼吸で、スペースに積極的に入っていくのは今井選手の持ち味です。若山選手は、ローポインターですが俊敏な動きを見せる選手。ディフェンスではハイポインターをしっかりと抑える役割も果たしていますが、相手が抜け出してからの次の動きへの対応が早いため、ニュージーランドもなかなか得点に繋げることができません。25-19と点差を更に広げてハーフタイムに入りました。
Game1-第3ピリオド
まだまだ安全圏とは言えない点差に、日本代表は攻撃的なラインで更に点差を広げます。
【3.5・3・1.5・0ライン】#32 橋本選手(3.5)、#13 島川選手(3.0)、#22 乗松選手(1.5)、#3 倉橋選手(0.5F)
ここで、#1 キャメロン選手(2.5)が疲れてきたようです。島川選手に車いすを押し付けてディフェンスしますが密着度が甘く、その隙を突いて島川選手がマークを抜け出してトライします!こういった基本的なミスが出てくるのも、前半からしっかりとプレッシャーをかけてきたことで徐々に相手のフィジカルにダメージを与えてきたことが効いているのです。
【3・3・1.5・0.5ライン】#21 池選手(3.0)、#13 島川選手(3.0)、#22 乗松選手(1.5)、#2 長谷川選手(0.5)
【3.5・3・1.5・0ライン】#32 橋本選手(3.5)、#13 島川選手(3.0)、#22 乗松選手(1.5)、#3 倉橋選手(0.5F)
ローポインターの中でも、乗松 聖矢選手のトランジション(攻守の切り替えの速さ)は随一です。これにより、相手の動き出しが止められてしまうため、ニュージーランドは攻撃の幅が制限されてしまいます。乗松選手に引っ張られるように、全選手のトランジションの速さを見せる日本代表に、ニュージーランドの選手たちが徐々について行けない状況になってきました。
キーエリアでもディフェンスの素晴らしさが光ります。中でパスを待つヘイデン選手がボールを受ける前にコード外に押し出して得点を防ぎました。これも、中央を守っていた長谷川選手が、そこに入ってこないニュージーランドの選手の動きを察してキーエリアから退場。これにより、1人余裕ができた日本代表のハイポインターが中に突っ込んできてその勢いでヘイデン選手を押し出すことに成功したのです。